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2026/9/1

【広報・桂がゆく!】AIを支えているのは、徳島の「職人技」だった~ULURU AIブリッジの現場を訪ねて~(前編)

「ULURU AIブリッジ」の本当の強みって、何だろう・・・。

こんにちは!入社8カ月、ブランド戦略部の桂です。
※私の自己紹介記事はこちらをご覧ください
 36歳、未経験から広報へ。青天の霹靂だった「うるる」との出会い

2026年6月、うるるBPOは新たに、企業のAI活用を診断から実装・定着まで一貫して支援する「ULURU AIブリッジ」を提供開始しました。
広報担当としてそのPRを担当する中で、ずっと引っかかっていた問いがあります。世の中にAI支援サービスが溢れる中、私たちの強みを言葉では発信してきたものの、その裏側で実際に何が起きているのかを、自分の目で見たことがないまま語ってきたことに、正直なもどかしさを感じていました。

「ULURU AIブリッジの真価は、徳島センターにあるはずだ」

百聞は一見に如かず。
真実を確かめるべく、今回、徳島にある うるるBPOのセンターへ、潜入取材を敢行しました。

徳島センターとは?

まずはじめに徳島拠点の全体像を整理します。うるるBPOの徳島センターは、2019年4月に第一センターが開設されたのを皮切りに、2020年4月に第二センター、2023年3月に第三センターと、わずか4年の間に3拠点に拡大してきました。
第一センターから第三センターまで、1日あたり約67万枚もの書類を電子化する、国内最大級のスキャニングセンターへと成長しました。

第二センターは当時、働き方改革やテレワーク推進の流れが強まる中、「紙資料の情報を電子化したい」という企業の声が急速に高まったことを受け、スキャニングニーズの拡大に応えるため、第三センターは電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の開始を背景に、DX系SaaSの普及を裏側で支える人力需要の高まりに応えるために設立されています。

さらに2024年8月には、他社が運営していたスキャンセンターを譲り受ける形で、徳島つるぎ町にも第四センターが誕生しました。今回は時間の都合上、お邪魔できませんでしたが、いずれ機会を見つけて取材に伺いたいと思っています。

時代ごとのクライアントの声に応え続けてきたこの場所で、実際にどんな仕事が行われているのか——期待と緊張で胸をいっぱいにしながら、まずは第一センターへ向かいました。

第一センター:BPOの原点は、紙との真剣勝負だった

第一センターに足を踏み入れて、まず目を引いたのは、スタッフの皆さんが黙々と、そして驚くほど手際よくスキャニング作業を進めている姿でした。

第一センターが担っているのは、主に「閲覧スキャン」——取扱説明書や契約書など、電子化したデータを後から見返すためのスキャニング業務です。作業スタッフの机の上に置かれている分厚い書類の束を前に、これをミスなくスピード感を持って全部データ化していくのか…と圧倒されます。

今回、私は実際にスキャニング作業を体験させてもらいました。
原本を機材にセットし、読み取っていく一連の流れは、単純そうに見えて、原本を傷めないよう丁寧に扱う所作の一つひとつに気を配る必要があり、想像していたよりもずっと繊細な作業でした。

スキャンの手作業に苦戦する桂の様子。プラスチック製の板でしっかり原紙をガラス面に押し付けるなどの細かい作業が必要でした

実際にベテランスタッフと同じ作業を並んで体験してみると、処理スピードの差は歴然。私が約4分かかった作業を、ものの1分で済ませるなど経験によって培われた手際の良さを、肌で実感しました。

なぜこの「スピード」がそこまで重要なのか。取材で見えてきたのは、一枚あたりの処理スピードを1秒でも短くすることが、原価の低減、そして利益の向上に直結するという、現場のシンプルな方程式でした。作業スタッフの手を止めることなく、いかに効率よく処理していけるか——ベテランスタッフの手際の良さは、まさにこの積み重ねの結果だったのです。

さらに、大判の図面をスキャニングする様子も、ベテランスタッフの手元を間近で見学させていただきました。一見、簡単にも見える大判図面のスキャニングですが、紙を読み込むスピードが速いため、両手で真っすぐに整えながら読み込ませる様子に難易度の高さが窺えました。

大判図面のスキャンに使用する大判機

現場で話を聞いたのは、チーム長の西上さんです。

「原本が仕様通りにスキャンできるか、詰まるポイントはないかを、作業前に各班のリーダーが目視でチェックすることで、スムーズな作業につなげています」

「どのような電子データにしてほしいか——PDFの分け方やフォルダ構成など——を、最初にしっかりすり合わせることが肝なんです」

このとき頭に浮かんだのは、「ULURU AIブリッジ」が向き合っている課題そのものでした。AIの活用が難しいデータの代表例が、実は「メタ情報のない図面」や「精度の低いスキャンデータ」などです。まさに今、目の前でベテランスタッフが向き合っているのは、AIが苦手なデータの数々でした。

AIが苦手なデータを、AIが扱える状態に整える。言葉にすればシンプルですが、これができるかどうかで、AIを活用できるかどうかが決まるといっても過言ではありません。その、目には見えにくいけれど欠かせない仕事を担っているのが、ここで働くスタッフの皆さんだったのです。

「ULURU AIブリッジ」が提供する価値の土台は、まさにこの“データを整える力”そのものにあるのだと、身をもって気づかされました。

第二センター:お金と権利を扱う、精密チェックの世界

第一センターから道路を隔てた先に、複数の専門チームが在籍する第二センターがあります。
扉を開けると、第一センターとはまた違う静けさがありました。マウスのクリック音と、紙をめくる音だけが響く空間で、複数の専門チームがそれぞれの持ち場に集中しています。

フィンテックチームの様子。スキャンされた多くの領収書と向き合う作業スタッフの様子が印象的でした

まず案内してもらったのは、フィンテックチームの島。机の上には、スキャンされた領収書の束が、これでもかというほど積まれていました。
「これ、一日でこの量が届くんですか?」と思わず聞くと、担当の方は「多い日はもっとありますよ」と事もなげに答えます。

フィンテックチームは、経費精算サービスを利用する企業に代わって、申請内容の一次チェックを担っています。「経費精算のSaaSを使えば、もう人の手はいらないのでは?」と、正直、取材前の私はそう思っていました。ところが話を聞くと、どうやらそう単純ではないようです。

「経費精算のようなSaaSって、領収書がすでにデータになっている前提で作られていることが多いんです」

そう教えてくれたのは、フィンテックチームのチーム長・篠原さん。
SaaSを導入したからといって、スキャンやデータ入力そのものがなくなるわけではなく、その手前の地道な作業は、結局どこかで人の手が担う必要がある——フィンテックチームは、この業務プロセスそのものを代わりに引き受ける、いわば「BPaaS(Business Process as a Service)」の一つを担っている存在でした。

「経費科目の判定は、AIだけだと誤りが出ることがあるんです」

「文脈を汲んで、正しい科目を入力するのが私たちの役割なんですよね」

申請者の言葉のニュアンスを受け取り、柔軟に対応できるのは人力ならでは、と篠原さんは話してくれました。

続いて向かったのは、品質管理チームとCPチームのエリア。段ボール箱が壁一面に積まれた倉庫のような部屋に、思わず足が止まります。「これ、全部同じキャンペーンのはがきなんですか?」と聞くと、「そうなんです、多いときは数十箱になりますね」とチーム長の木原さんは笑いながら教えてくれました。

品質管理チームは、スキャン・データ化した内容を、納品先ごとのルールに沿って検品する専門チームです。
「半角・全角の表記を統一してほしい」といった、企業ごとに異なる細かなルールに合わせてチェックを行い、時には入力業務まで担うこともあるそうです。

CPチームは、飲料メーカーなどが実施する大型キャンペーンで届く、応募はがきのスキャン・データ化を担当。届いたはがきをスキャンし、データ入力パートナーと連携してデータ化。戻ってきたデータの検品から、納品前の最終準備までを一貫して担っています。

品質管理チーム・CPチームのチーム長を務める木原さんに、仕事で一番嬉しい瞬間はいつかと聞いてみました。

「自分が褒められることより、調整してうまく回ったときの方が嬉しいんです」

案件に対してどれだけの人員をどう配置し、軌道に乗せていくか。見極めを誤れば、原価の高騰や顧客との認識のズレにも繋がってしまう——その地道な調整の積み重ねこそが、木原さんの仕事の核なのだといいます。

品質を支えているのは、検品や補正という「作業」だけではありません。案件ごとに適切な人数を見極め、配置し、状況に応じて進め方を調整する。つまり、業務全体が滞りなく進むように設計・調整することも、人が担う重要な役割なのだと気づきました。

某飲料メーカーの大型キャンペーン時に届いたはがき。
同じような箱が倉庫内に数十個にわたり格納されていました。
汚損しないよう一枚一枚丁寧に厚紙でカバーしてあるのも特徴です

では、残る第三センターには、一体どんな現場が待っているのでしょうか。
後編では、AIの限界を人の目で補う、もう一つの現場に潜入します。

※後編はこちらからご覧ください。

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