2026/10/15

    人の成長で、事業の次の可能性を広げる。CHRO太田昂志が描く、「ここで、成長し続けたい」と思えるうるる

    「『あの人なら任せられる』を、増やしたい」。

    2026年8月、うるるに執行役員CHROとして加わった太田昂志は、人と組織の面から事業成長を牽引しようとしています。

    労働力不足の解決を目指すうるるが、人と組織の面で掲げるのは「人材成長定着企業」。一人ひとりがパフォーマンスを最大限に発揮し、仕事を通じて成長を続け、イキイキと働ける会社です。太田は、うるるに根づく「人を大切にする文化」を土台に、挑戦と成長を加速させる組織づくりを進めています。リーダーの基準づくりや新たな学習機会の整備など、具体的な取り組みも動き始めています。

    社員が挑戦し、成長するから、事業の可能性が広がる。そして社員自身も「ここで、もう一段挑戦したい」と思える。そんな循環をどうつくるのか。太田が描く、これからのうるるの人材戦略を聞きました。

    プロフィール

    株式会社うるる 執行役員CHRO 太田 昂志(おおた たかし)

    システムインテグレーター等を経て、株式会社ゆめみに入社。CHRO、取締役、上席執行役員を歴任。その後、アクセンチュア株式会社との経営統合を主導し、統合後はプリンシパル・ディレクターとして、組織人事・チェンジマネジメント領域のコンサルティングに従事。2026年、株式会社うるるに入社。執行役員CHROとして人事領域全般を管掌。共著に『職場を上手にモチベートする科学的方法』『グロービスMBAマネジメント・ブック[改訂4版]』(ともにダイヤモンド社刊)。

    次の事業を任せられる人を育てる

    ――CHROとして、うるるでどんな変化を起こしたいと考えていますか。

    うるるは、創業メンバーが道を切り拓き、事業の成長とともに多くの人が育ってきた会社です。その強みを生かしながら、これからは人と組織が事業の成長をもう一段引っ張っていく変化を起こしたいと思っています。任せられる人がいない、マネージャーが足りない、次の経営人材がいない、いい人を採用できない。事業が大きくなるほど、そんな「人」の問題で成長が止まるリスクも高まります。それは防ぎたいんです。

    逆に、「あの人なら次の事業を任せられる」「この人ならM&A後の組織を任せられる」と思える人が何人もいれば、事業の可能性は広がります。次の成長に必要な人を、先回りして育てていく。それが、私がうるるで起こしたい変化です。

    ――そのために、人事はどのような役割を果たすのでしょうか。

    人事の役割は「人を活かして、事をなす」ことだと考えています。

    居心地の良さだけを追うのでも、成果のためだけに人に無理を強いるのでもない。人が力を発揮することで、事業が前に進む。その状態をつくるのが人事の仕事です。

    ただ、人事課題の多くは、人事だけでは解けません。

    例えば「若手が育たない」という問題があったとき、人事は研修を増やせます。でも、上司が仕事を任せていない、失敗を許容しない、チャレンジングな仕事がいつもの人に偏っている、といったことが原因なら、研修だけでは解決しません。

    だから、人事の中で完結させず、現場や経営と一緒に全社で取り組む。仕事の任せ方や評価、成長機会が一部の人に偏っていないかまで含めて見直し、現場の行動がどう変わり、それがどう事業の成果につながるのかまで考え、やり抜く。それが「人を活かして、事をなす」ということだと思っています。

    ――うるるが目指す「人材成長定着企業」を、太田さんはどう捉えていますか。

    一人ひとりがこの会社で成長している実感を持ち、他にも選択肢はあるけれど、自分の意思でうるるを選び続けている企業だと捉えています。

    「人材成長定着企業」のうち、「定着」は、離職率が低い会社、人が辞めない会社という意味で捉えられがちです。でも、この言葉に込められているのは「辞めない会社」ではなく、「選ばれ続ける会社」です。

    そもそも、この言葉の源流には「人材輩出企業」があると聞いています。例えば、リクルートやサイバーエージェントのように、そこで育った人が社外でも広く活躍している会社です。人が成長するほど、社外で活躍できる可能性も高まります。その意味で、成長と定着は両立しにくいものです。

    うるるは、これら両立しにくい「成長」と「定着」を、どちらも実現しようと本気で挑戦しています。目指しているのは、単なる「人材輩出企業」ではなく、「人材成長定着企業」。どこでも活躍できる人が「ここで、もう一段挑戦したい」と思ってくれる。その方が、会社としてはるかに健全だと思っています。

    会社は、能力を高め、社員の可能性を広げる機会を提供する。社員はそれを生かして成長し、価値を事業や社会に返す。その結果、「まだここで挑戦したい」と選んでもらえる。そんな循環をつくりたいと思っています。

    「人を大切にする」を、その人の可能性に向き合う力へ

    ――その実現に向けて、うるるにはどんな強みがあると感じていますか。

    一番の強みは「人」です。入社後に全社員と行っている1on1で「うるるらしさは何ですか」と聞くと、多くの方が同じように「人」とおっしゃいます。困っている人がいれば助ける、新しく入った人をまず歓迎する、部署を超えて声をかけ合う。こうした人間関係の質の高さは、制度設計だけでは簡単につくれません。

    そのなかで、うるるの人の特徴を挙げるなら、「おもてなし」と「楽しむ」の2つだと感じています。人への関心が高く、人の成功を一緒に喜ぼうとする。そして、「楽しまなきゃ損」と、社内イベントなども自分なりに楽しむ。こうした文化は、うるるの大きな強みです。

    ゲリラ的にDJイベントを企画・開催。音楽を通じて交流を楽しむ、うるるの「楽しむ」文化を象徴するイベントとなりました。

    ――その強みを、これからどう成長につなげていきたいですか。

    人を大切にする文化を、その人の可能性に本気で向き合う文化へと広げていきたいです。実は、入社後に社員との1on1を重ねるなかで、少し意外な声を耳にしました。それは、人を大切にする文化が、時として「相手に言いにくいことを言わない」という形で表れてしまうことがある、というものです。

    遠慮と配慮は違います。

    例えば、部下が期待水準に届いていないときに伝えないのは、一見優しく見えます。でも、本当にそれは優しいのか。成長のチャンスを、本人から奪っているかもしれません。

    組織が大きくなるほど、阿吽の呼吸だけでは難しくなります。相手の成長を信じているからこそ、期待を伝え、仕事を任せる。耳の痛いことも率直に伝え、次の挑戦を支える。相手を大切に思うからこそ、成長に対して妥協しない。そんな関係性が当たり前にある組織へと進化させていきたいと思っています。

    社員の未来に責任を持つために、今、変革する

    ――人を大切にすることと、成長を求めること。その両方にこだわる背景を教えてください。

    人の良さだけでは、会社も、そこで働く人も守れない。それを何度も目の当たりにしてきたからです。

    原体験のひとつは、コンサルタント時代、経営危機に直面するクライアント企業で、次の経営者を育成するプロジェクトに携わった経験です。

    その会社は外から見れば厳しい状況でしたが、中に入ると「自社を良くしたい」と真摯に働く人が大勢いらっしゃいました。それなのに、なぜ苦境に立たされるのか。理念も制度も整っていても、全体がかみ合わなければ組織は傾く。原因は、組織のつくり方でした。

    経営者として関わった会社が転換期を迎えたときもそうでした。環境が変われば、ビジネスのあり方も変わる。その変化に組織と人が適応できなければ、事業はどんどん苦しくなっていきます。会社の変化は、社員のキャリアだけでなく、その家族や暮らしにも影響します。

    どんな事業も、今のまま永遠に続くわけではありません。だからこそ、調子がいいうちに変革する。そうしなければ、長い目で見て社員が安心できる環境はつくれないと思っています。人を大切にするからこそ、成長を求める。私の中では、この2つは一つなんです。

    成長機会を、上司や配属先だけに委ねない

    ――うるるは、中長期経営方針の達成に向け、人的資本方針「ULURU Sustainable Growth for Talent(以下、USGT)」を掲げています。そのもとで、社員の挑戦や成長を支えるために、何を進めていますか。

    大きく二つあります。一つは、リーダーの次元を引き上げること。もう一つは、社員一人ひとりに挑戦と成長の機会をつくることです。

    まず、リーダーの次元を引き上げるために、リーダーシップの共通指針として「リーダーシップ・ウェイ」の策定を進めています。部下に期待を伝え、挑戦を後押しし、適切なフィードバックを通じて成長を支える。そうしたマネジメントを、一部の優れた管理職だけでなく、組織全体の当たり前にしていきたいと考えています。

     もう一つは、挑戦と成長の機会を偶然にしないことです。そのために、まずは成長機会そのものを増やす観点で、若手社員が経営課題を議論する「シャドーボード」や、ビジネスの基礎を学ぶ「うるるアカデミー」など、社員が主体的に学び、挑戦できる仕組みを整えています。

    ――社員への期待を高める一方で、会社として大切にしたいことは何でしょうか。

    大切にしたいのは、社員が変わるきっかけを、会社としてできるだけ多くつくることです。

    成長する機会を十分に提供しないまま、求める基準だけを引き上げても、社員は疲弊してしまいます。だからこそ、期待を明確に伝えるとともに、自分の課題に気づき、学び、挑戦し、フィードバックを受ける機会を増やしていきたい。研修体系の整備も、その一環です。根底にあるのは、一人ひとりの可能性を信じ、成長を後押ししたいという思いです。

    もちろん、変革には不安や戸惑い、時には反発も伴います。だからこそ、異なる意見にも丁寧に耳を傾け、率直に議論することを大切にしたい。一方で、議論を尽くして決めたことには、皆で責任を持って取り組んでほしい。Amazonの創業者・ジェフ・ベゾスも大切にしている「Disagree & Commit」の姿勢ですね。

    今年行われた内定式での一コマ。太田は未来の仲間に、うるるのこれからを語りました。

    挑戦を続けられるように、働く環境も整える

    ――挑戦や成長を支えるうえで、働く環境をどう考えていますか。

    成長には、適度な負荷や、程よい挑戦が必要です。挑戦すればうまくいかないこともあるし、厳しいフィードバックでへこむこともある。いつも快適でいられるわけではありません。

    だからこそ、挑戦には負荷が伴うことを前提に、安心して挑戦し続けられる環境を整えることが大切だと考えています。経営チームから、うるるは「働きやすい会社」というイメージが先行している側面があると聞きました。もちろん、働きやすさは大切ですが、働きやすさは目的ではなく、社員が安心して挑戦し、成長し続けるための基盤だと思っています。

    育児休業や休暇制度、福利厚生なども、ライフステージが変わっても挑戦を諦めず、自分の可能性を広げていくためのものです。

    「働きやすい会社」から「安心して挑戦し続けられる会社」へ。これまでの強みを、社員と事業のさらなる成長につなげていきたいと思っています。

    ――「TOKYOパパ育業促進企業」への登録は、その中でどう位置づけていますか。

    安心して挑戦できる環境をつくる。その姿勢を分かりやすく示す取り組みの一つが、「TOKYOパパ育業促進企業」への登録です。

    成長する機会があっても、それを生かして働き続けられる環境がなければ、挑戦は続きません。育児と仕事の両立を支えることも、社員がうるるで成長し、活躍し続けるための環境づくりの一つです。

    ※うるるは、東京都の「TOKYOパパ育業促進企業」にゴールドマークで登録されました。詳細はプレスリリースをご覧ください。

    ――成長機会と働く環境を、USGT全体でどうつなげていくのでしょうか。

    USGTには、TA(採用)、HRD(人材開発)、DEIB(戦略的な働く環境づくり)、OD(組織開発)という4つのテーマがあります。

    私は、この4つを個別の施策ではなく、人材の成長と事業の成長をつなぐ、一つの仕組みとして捉えています。

    TAで志をともにする仲間を迎え、HRDで挑戦と成長の機会をつくる。DEIBで安心して挑戦し続けられる環境を整え、ODで互いの成長を支え合う組織をつくる。

    こうした取り組みがつながることで、社員の成長が事業の成長を生み、それが次の挑戦の機会につながっていく。そんな好循環をつくりたいと考えています。

    大切なのは、4つの施策をそれぞれ充実させることではなく、社員が成長し、活躍し続けられる仕組みとして機能させること。それが、うるるの目指す「人材成長定着企業」の実現につながると思っています。

    ※USGTの各テーマについては、人事部・神崎の記事「【統合報告書2025解説】『人の成長=組織の成長』を加速させる次なる一手」をご覧ください。

    「ここで、もう一段挑戦したい」と選ばれ続ける会社へ

    ――これからのうるるで、社員にどんな挑戦をしてほしいですか。

    うるるの行動指針である「うるるスピリット」を体現しながら、自分に期待されている役割を超えて、挑戦してほしいと思っています。

    例えば、自分の部署だけでなく、他部署や会社全体に影響を与える仕事に挑むこと。これまでのやり方を当たり前とせず、ゼロから仕組みをつくり直すこと。あるいは、一つ上の役割を自ら引き受けにいくこともそうです。

    任された仕事を着実にやり遂げることは大切ですが、少し背伸びをして、新しい可能性に挑んでほしいと思っています。

    そして、そうした挑戦を個人の意欲だけに委ねず、会社として後押ししていきたいですね。

    ――その先に、社員と会社のどんな関係をつくりたいと考えていますか。

    私が目指したいのは、社員が自らの意思で「この会社で、もっと成長したい」と思える関係です。

    仕事に意味を感じる。昨日までできなかったことができるようになる。周囲から期待され、少し難しい仕事を任される。そうした経験の積み重ねが、仕事への誇りや、会社で働き続けたいという気持ちにつながるのだと思います。

    うるるには、これまで培ってきた「人を大切にする文化」があります。その強みを土台に、互いに期待し合い、挑戦と成長を後押しする文化へと進化させていきたい。

    どこでも活躍できる力を身につけた人が、それでも「ここで、もう一段挑戦したい」と思ってくれる。そんな会社を、社員の皆さんと一緒につくっていきたいですね。

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