全社のプロダクトの要となる、うるるの技術戦略とは?VPoE&エンジニアインタビュー
こんにちは!人事部の伊藤です。
本日は「技術戦略課」で活躍するVPoEとエンジニアメンバーへのインタビュー記事をお届けします。
うるるのエンジニアはプロダクトごとに所属組織が分かれていますが、特定のプロダクトではなく組織横断で技術面を牽引する「技術戦略課」という組織が存在します。
「技術戦略」と聞いても具体的なイメージがつきづらい人も多いのではないでしょうか。
今回は技術戦略がなぜ必要なのか。実際にどんなことをやっているのかなど、迫ってまいりたいと思います!
目次
技術戦略課メンバー紹介
右から順に…
高橋
- システムエンジニアとしてキャリアをスタート後、開発責任者や取締役CTOを歴任し、2019年7月にうるるへ中途入社。
- VPoE(Vice President of Engineering)兼 技術戦略課課長として、エンジニア組織と技術戦略領域の責任者を担う。
- お酒と猫を溺愛。
筒井
- 2018年に新卒第一期生としてうるるへ入社。
- クラウドソーシングやSaaSの開発を経験後、技術戦略課へジョイン。
- 激辛部の部長として激辛料理を食べに行き、舌を鍛えることが趣味。(実は辛いものがそんなに得意ではないという噂も…)
古賀
- 受託開発企業にて開発やプロジェクトマネジメントを経験後、2022年4月にうるるに中途入社。
- 音楽鑑賞と演奏が趣味で、以前は年間50本ものライブに出向くほど。
技術戦略課とは、どんなミッションを持つ組織なのでしょうか。
高橋:言葉通り技術を戦略的に推進していく組織なのですが、簡単に表現をすると、「経営企画の技術版」という表現が想像しやすいかもしれません。
経営方針に対し技術戦略がないと、「方針」と「実行」の間の絵がない状態になるので、エンジニアが自分ごととして捉えてプロダクト開発に反映させていくのは難しくなってしまいます。
そのため経営戦略を実現するためには、開発にはどういった要素や仕組みが必要だろうか?と共通言語化をして実現可能な状態に落とし込んでいきます。
一般的には開発チームの中で技術的な成長方針や、方針に則った技術選定・セキュリティの担保など開発を進める上での基盤整備を進めていくことが多いですが、そこを専門的に担い支援する部隊がいれば、エンジニアがよりプロダクトの開発と保守運用に集中できるようになりますよね。
エンジニアがプロダクトの開発と保守運用に集中し、専門部隊が横串的にサポートする体制によって、開発における改善点や課題を見出す精度とスピードが向上するので、経営方針に沿ったプロダクト開発のスピードと品質を担保することが可能になります。
特にうるるはSaaSやクラウドソーシングなどマルチプロダクトの会社なので、特定のプロダクト内だけでは判断が難しい事象も発生しますが、我々のような専門部隊が横串組織としてパイプラインになっていけば、ルールやノウハウの展開もしやすくなり、全社的な開発力の底上げにつながっていくと考えています。
皆さんはなぜ技術戦略の領域へ挑戦されたのでしょうか?
筒井:僕は新卒でうるるに入社し2つのプロダクト開発を経験したのですが、特定のプロダクト開発に留まらず全社的な課題を解決できるようになりたかったからです。
開発ルールやIT統制などはプロダクト開発でとても重要な視点なのですが、必要性を理解して落とし込んでいくのは事業部の中だけでは難しいんですよね。
こういった部分を横串組織で整えていけたら、うるるの経営戦略と開発の架け橋になれると考えました。
古賀:僕は前職では顧客向けのシステム開発に従事していて、転職活動のときは「幅広いスキルを持ちたい」という軸を持っていました。
技術力があることやマネジメントができることはもちろん大切ですが、1つのシステムと1つの役割だけでなく、いろんな要素の掛け算で得意分野を広げ、自分の価値を発揮していきたいなと。
うるるへの応募当初は、どんな技術を使っているんだろう?という視点でしたが、面接の時に雅哉さん(VPoE高橋)から「経営やマーケティング、技術といった様々な要素を踏まえ、いちエンジニアとしてだけではない視点でエンジニアリングに向き合うことが出来る」と聞いてすごく興味を持ったんですよね。
技術だけが会社に貢献できるわけではないと思うので、技術に新たなスキルを掛け合わせていけたらと思ったんです。
筒井:わかるなあ。一般的なエンジニアとしてのスキルだけでないというか。
今はプログラミングスクールも活性化してきて、エンジニアの人口も増えつつあるので、差別化できるスキルを高めていくのは市場価値につながりますよね。
高橋:僕はこれまでのキャリアで、システム開発の現場から経営まで携わってきた経験から、「経営」と「技術」の接続の必要性を身にしみて感じてきました。
うるるではVPoEという立場でエンジニア組織と技術戦略課の責任者を兼任していますが、技術戦略は一般的にはCTOやCIOが担うことの多い領域です。
その分ミッションは多岐にわたりますが、これまでのキャリアを活かしながら技術とエンジニア組織の両方を俯瞰して見られることのできる立場は自分に合っているのだと思います。
技術戦略の推進には各社様々な障壁を抱えていると思います。
技術戦略部門に丸投げになってしまうか、もしくはこれまでのやり方に固執して改革が進まないか。こうした事象が起こると中途半端な状態になってしまい一番困るのはエンジニアなので、企業風土にはこだわっていました。
うるるの場合は、協力体制も築きやすいですしチャレンジし易い風土により「絵を描く」だけではなく推進までしていけると感じたことが入社の決め手なのですが、これは入社後もギャップなしに魅力に感じていることですね。
現在の具体的な業務について教えてください。
高橋:技術戦略課の業務範囲をざっくり分類すると、「オフェンス」と「ディフェンス」に分けられます。
オフェンスに該当するのが各プロダクトやうるる全体の成長に向けて、技術面でのロードマップを策定し、推進していく「攻め」のミッションですね。
僕はこのオフェンスの分野を推進していくことが主な役割なのですが、技術戦略の策定に留まらず、実際の開発シーンではより高い品質や開発速度を保っていけるようアドバイザーのような形で関わることも行っています。
対してディフェンスは購買やIT統制、品質管理といった、健全にプロダクトを開発・運用するための基盤となる「守り」のミッションです。
筒井:僕はディフェンス寄りの業務を担当しています。
IT統制ではシステムの安全性や品質を担保するために様々な権限の管理やルーリングが必要になりますが、各事業の成長スピードを阻害しないこととIT統制で必要になる項目のバランスを取りながら、最適な形を模索し効率良い管理体制にできるよう運用をしていっています。
その他にも共通系システムの開発とリプレイスや、うるる全社に対するシステム管理の仕事をしています。開発管理者向けのセキュリティマニュアルを技術戦略課で作成・運用しているので、ルールの遵守状態判断や棚卸し、セキュリティの脆弱性における対応判断などですね。
また、各事業部に対してSRE(Site Reliability Engineering)の概念を浸透させていくための活動も行っています。
古賀:僕は入社して日が浅いので、慣れるためにもオフェンスとディフェンスどちらも広く担当しています。
新参者ならではの「なぜこういう手法を取っているのか」などの視点を生かして開発現場へのヒアリングや、必要に応じて改善提案も行いながら、まずは開発現場のことを知る、ということを大事にしていますね。
開発と事業サイドの意見をどちらも踏まえて判断をしたり説明をしていくのは難しさもありますが、役に立てたときはやりがいを感じています。
攻めにも守りにも転じられる「リベロ」のようなポジションなので、様々な情報や視点を役立てて、施策を推進していけるといいなと思っています。
筒井:判断や説明が難しいのは共感です!(笑)
統制や管理は正直面倒なことでもあるので「なぜやるのか」を伝えていく必要がありますが、難しさと同時に上手く進んだときはやりがいを感じますね。
技術戦略課の業務を通してプラスに感じたことはありましたか?
筒井:プロダクト開発をしていた頃は主にサーバーサイド開発を担当していましたが、今は幅広い技術に対する知識が必要になってきます。
フロントエンドからインフラまで理解し、適切に説明や管理をしていける状態にしないといけないので、エンジニアとして技術的な知識はアップデートし続けられていますね。
様々な部署やそこで働く人の意図を汲み取りながら、会社としてのルールを敷いていくには、常に課題や想定効果を意識し続ける必要があると思っています。
加えて納得感のある説明をできるようにならないといけないので、エンジニアとしてだけでなく職種問わず必要な社会人基礎力が鍛えられていると感じます。
古賀:僕は大きく2つあって、1つ目は「意思決定」ですかね。
プログラマーからPMまで、日々各レイヤーの役割に応じた意思決定がなされていきますが、開発現場だけでなく経営サイドの意思決定の視点など、これまでとは異なる多くの視点が大きな学びになっています。
2つ目は筒井さんと同じく、技術面の学びですね。前職まではJAVAを中心に扱っていたのですが、AWSなど以前から興味のあった技術に早速触れることが出来ているので、「これがやりたかったんだ俺は…!」って思ってます(笑)
新技術にも広く触れられるのは良いですね。
うるるの技術戦略において、課題に感じていることも教えてください。
筒井:そうですね。うるるの成長戦略においてエンジニアに求められる方針が明確になり、それに向けた仕組みを整えていくことでしょうか。
うるるの成長戦略によって必要な能力や基準は異なるので、プロダクトを成長させていける組織を作っていけたらなと。
古賀:全社最適の視点を各組織が持てるような文化形成がより求められていくかなと感じます。各部門において遂行すべきミッションがあるため全社最適の考えを持つことはとても難しいことなので、僕たちがパイプラインになっていけたらと思います。
高橋:スピード感のある会社なので、バリバリ開発をして日々機能追加がなされたり、新規事業も生まれ続けていきます。そのため品質の担保や保守運用の仕組み化といった開発を取り巻く環境を整えていくことが肝要だと思います。
また、データドリブンの思考はエンジニアに留まらず職種問わず求められますね。感覚値ではなくデータに基づいた会話が当たり前になされるようになると、DXを推進する企業としてもよりバリューが発揮できるようになると考えています。
最後に、今後チャレンジしたいことを教えてください!
筒井:オフェンスの部分でエンジニア組織やプロダクトの成長を促進していきたいという野望を持っているので、現在担当しているディフェンスの部分を仕組みで効率化し、ディフェンスにコストを割かずにオフェンスの部分により注力していきたいです。
オフェンスだと採用や研修なども含め、エンジニアの組織力向上に向き合っていきたいなと考えています。
古賀:僕もオフェンス部分。特にプロダクト成長を技術的に支援していきたいので、開発計画やプロジェクトに第三者視点からアドバイスしていけるようになっていきたいなと。
そのためにも開発シーンへの理解や、技術力を高めていきたいと思います。知識が足りない分は行動量でもカバーしていきたいですね。
高橋:短期的には、うるるの中期経営計画の達成を技術的な側面から支援することですね。
技術戦略の領域はとても広く、戦略から管理まで、その対象も言語や技術だけではなく人や組織も含まれるので、バランスよく組み上げていかねばと感じています。
中長期的には経営戦略を技術面からより戦略的に推進していける組織にすることですが、こうしてメンバーも頼もしく育ってきているように、これからも後進を育てていきたいですね!
【編集後記】
技術戦略課の3名へのインタビュー、いかがでしたでしょうか?
技術戦略課はとても多岐にわたる業務範囲なのですが、IT企業として経営方針を実現するためには経営と開発の接続が必須であり、こうした働きかけによって良いプロダクトをお客様のもとに届けていけるのだなと感じました。
そんな技術戦略課では、これからのうるるの技術戦略をより強固に推進していくために新メンバーを募集中です!
少しでもご興味をお持ちいただけた方は、是非以下の記事よりご連絡ください(^^)