去る4月に開催された『ULURU Ayers Rock Festival』では、今年も各事業の年間MVPに加え、「うるるスピリット」にちなんだ五つの賞、そして今回新たに加わった「新人王」の各受賞者が、全社員の前でその功績をたたえられました。
オーナーシップ賞に輝いた、Govtech事業本部 事業開発部 事業企画課の吉田詩織(よしだ・しおり)さんは、関わる人が多く、一筋縄ではいかない二つの難プロジェクトを、高い主体性と強固な意志で形にしていきました。
複雑な調整や裏方の役割をもいとわず、持続可能な事業運営のために走り続けるその片隅には、「自分のこの行動は、誰かの助けになっているだろうか」という深い思いやりが息づいています。堅実な計画力と確かな実行力を兼ね備えた吉田さんのプロフェッショナルな素顔に迫ります。
▼受賞者プロフィール
吉田詩織さん:Govtech事業本部 事業開発部 事業企画課所属。「事業運営の仕組みをデザインする」をテーマに、基幹システムの保守・開発、ならびにプロダクト販売に関わるプロジェクトの計画、進行管理まで幅広く担当。他部門とも密に連携を図りながら、全社最適を前提としたフロー構築を担っている。
趣味 読書・絵画鑑賞・お笑い
特技 息子の風邪をもらうこと
座右の銘 整えれば、流れる
受賞理由
「自分が前に立ち前進させる」という圧倒的な当事者意識で組織を牽引。NJSSの新プラン推進では、現場ニーズを先回りして課題を具体化し、営業・推進双方を巻き込む道筋を示しました。ツール管理プロジェクトでも全社視点で仕組み化を断行。「自分がやり抜く」という気迫でタスクを巻き取り、変化を恐れず形にする姿は、まさにオーナーシップの体現です。
新サービスプラン推進の裏側で担った、関係各所との調整役
――今回の受賞では、吉田さんが担当した二つのプロジェクトがそれぞれ評価されましたが、まずは、『新プラン推進プロジェクト』について聞かせてください。どのような活動をされたのでしょうか。
Govtech事業本部には、さまざまなプロダクトがあります。今回、これらを同時に契約いただくことでお客さまの利便性を高めるという方針が示されました。そこで生まれたのが、今まで別プロダクトとして販売してたNJSS/GoSTEP/入札資格ポータルを1つにまとめた『NJSS ONE プラン』というパッケージプランです。
ただ、これを提供するにあたっては、契約締結までの行程管理はもとより、コーポレート部門との緻密な調整が必要になります。たとえば、IR担当者にはステークホルダーへの説明責任がありますし、経理は計上プロダクトを整理する必要が、法務には複数のサービスの販売契約を一つの契約としてまとめる際のリスクヘッジなど、各所で押さえなければならないポイントが数多くありました。
私は、こうした全体のニーズを先回りして汲み取り、一つひとつに明確に対応しながら、セールスメンバーが安心して販売を進められる「交通整理」の役割を担いました。
――一番大変だったことを挙げてください。
単体サービスとしての『NJSS』の価格改定を同時期に行ったことです。前回は3か月間の準備期間がありましたが、今回は1か月半しかありませんでした。大きなプロジェクトを二つ同時に動かしながら、関係部署とスピーディーに調整を重ねていかなければならなかった点は大変でした。
――受賞理由にも「『自分がやり抜く』気迫」とありますが、マルチタスクのなかで、ご自身をどのようにモチベートしたのでしょうか。
「自分がボトルネックになってはいけない」という責任感と、「みんなが待っているから、やり抜かなければ」という使命感に背中を押されながら取り組んでいました。事業企画課が決めないとプロジェクトが前に進まないため、とにかく主体性を持って動くことを大事にしていました。
現場負荷を引き下げる、引き算の仕組み化
――もう一つのプロジェクトである、「ツール管理プロジェクト」についても聞かせてください。
これまでGovtech事業本部は、各部が自分たちの裁量で予算を組み、必要なツールを自由に導入していました。しかし、こうした局所最適が続いた結果、似たようなツールへの重複投資や、本部全体の予算管理の煩雑さ、管理者の曖昧さといった問題が頻出するようになってしまいました。そこで、本部内で導入しているツールの「一元管理」と「相談窓口の開設」というミッションが立ち上がったのです。
プロジェクトは、情報システム課や情報セキュリティマネジメントシステム課を巻き込みながら進めていましたが、途中で同じような問題が社内のほかの事業本部でも起こりうることに気付いたため、全社へと取組範囲を広げることになりました。各部門の担当者へのワークショップなどを交えながら整備を進め、今年の3月末に無事フローが完成しました。現在はこれに基づいた、ツール導入の支援をスタートしています。ゆくゆくはツールを選別する際の判断基準の策定や予算策定時に活用できる状態への落とし込みも行う予定です。
――こちらのプロジェクトも関わる人が多く、それぞれの部署に導入の意図もあるので、最適化を図るのは大変だったのではないでしょうか。
「あるべき姿」と「現場負荷」のバランスを取ることが難しかったです。たとえば、新たなツールを導入するときのセキュリティチェックを誰がするのかに議論が及んだとき、「私が窓口を引き受けます」と手を挙げたのですが、それを喜んでくれる人がいる一方で、「導入のスピードが落ちるんじゃないか」「専門分野じゃないのに大丈夫か」と不安視する声も上がりました。そのため、専門部署に協力を仰ぎながら支援を行うことで周囲の了承を取り付け、さらに現場の負担を減らすために、プロンプトを活用してフローを効率化したり、AIを使って回答を早めに出したりといった工夫も凝らしました。
――プロジェクトを進めるなか、最も意識したことは何でしたか。
「ダメなものはダメ」と言うことです。ただし、それはあくまで、事業への悪影響が出ることが前提の「ダメ」であって、基本的には「最悪にならなければ良し」という判定基準を心がけました。
以前の私であれば、「ルールに則ることが何より大事だ」「最高の状態を維持するべきだ」と声高に言っていましたが、相談に来る人はそれが難しいから悩んでいるんですよね。そのことに気付いてからは、考え方が変わりました。判定基準を下げたほうが、結果的に現場の負荷が低く持続可能になることも、学びました。
持続可能な事業運営を目指して
――二つのプロジェクトを振り返って、改めていかがですか。
どちらのプロジェクトも関係者が多く、事業本部内にとどまらない横断的な動きを必要とされました。そのなかで、「各課がいま何を求めていて、何を解決したいのか」を先に汲み取り、提案や交渉を行うことを常に意識していました。
最初から最高の状態を目指していると、議論がまとまらなくなります。まずは最悪な状態を避けて、確実に安全な1歩を踏み出すこと。そして、着実な計画を立てて周囲に助けてもらうこと、共通の悩みを一つずつ紐解いていくことが、プロジェクトを円滑に進めるうえで大切になることを改めて学びました。
――仕事をするうえで、大切にしていることを教えてください。
「事業運営が持続可能なのか」という視点です。
運用のルールが複雑になりすぎると、現場に負担がかかり、いつかどこかで綻びが出てしまいます。その結果、将来的にメンバーを苦しめたり、数字の信頼性を損なったりするような場合には、早めの相談や、心苦しいながらも軌道修正の提案をするようにしています。この考え方は、以前所属していた事業推進課で学んだものです。事業推進課には、「おもてなしと思いやりのプロ」が揃っています。いまの私は足元にも及びませんが、ここで学んだ「自分のこの行動は、誰かの助けになっているだろうか?」という問いを立てることは、大切なお守りのように持ち続けています。
――最後に、受賞した気持ちと今後の意気込みを聞かせてください。
思いもよらない受賞だったので、当日は驚きと「目立ちたくない」という気恥ずかしさが勝ってしまい、壇上で周囲への感謝をうまく伝えきれなかったことが心残りでした。ですので、この場をお借りして、改めて皆さんにお礼を伝えたいです。私に投票してくださった方がいて、その声が役員まで届いたことに、深い感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
私の役割は堅苦しい調整が多く裏方に徹しがちですが、こうして誰かが見ていてくれたことが、今後の大きな励みになりました。これからもGovtech事業本部が持続可能な形で成長していけるよう、しっかりとサポートしていきたいです。引き続き、全力で頑張ります!
