OPEN FACTBOOK
2022/04/26

労働力不足にまつわる言葉の定義と実態「オープンファクトブック#1」

みなさん、こんにちは。うるる取締役 ブランド戦略部長の小林です。

私たちは「労働力不足解決のリーディングカンパニー」として、日本が抱える深刻な社会問題である労働力不足問題と日々向き合っています。

その活動の一環として、当問題の実態や私たちの生活への影響について多くの方に知ってほしいと願い、「オープンファクトブック」をスタートいたしました。このオープンファクトブックでは労働力不足にまつわる実態、課題、展望などを解説していきます。

第1回のテーマは「労働力不足にまつわる言葉の定義と実態」についてです。

日本を取り巻く労働力不足について、まずは思考の共通認識となる部分からお伝えして参ります。

言葉の定義

まずは労働力不足問題を語る際に頻出する言葉の定義をご紹介いたします。(※1)

15歳以上人口が本論点のターゲットであり、15歳以上の人口は大きく2つのカテゴリーに分かれます。

・労働力人口:労働する能力と意思を持つ人口(就業者および完全失業者を合わせたもの)

・非労働力人口:15歳以上の人口のうち就業の意思がない人(通学、家事、その他)

さらに労働力人口は以下2つのカテゴリーに分かれます。

・就業者:働いている人、及び仕事を持ちながら(当局調査期間では)仕事をしなかった人

・完全失業者:働いておらず、働ける、かつ働きたい人

ロジックツリーにすると以下図のように表現できます。

また、労働力不足問題を語るうえで外せないのが「生産年齢人口」という言葉。

これは、15歳以上65歳未満の人口層を指しますが、ここでポイントとなるのは「就労意思は関係ない」ということです。

ここまで出てきた言葉を図にすると以下の様になります。

日本の人口推移と予測される未来

総人口、生産年齢人口、そして労働力人口の3つの推移について以下の通り見ていきましょう。

【総人口】(※2)

  • 1億2,500万人(2020年)
  • 1億1,900万人(2030年)
  • 1億1,000万人(2040年)
  • 1億200万人(2050年)
  • 9,290万人(2060年)

総人口は減少の一途をたどり、2050年にはいよいよ1億人程度となります。

2050年は少し遠い未来に感じますが、例えば現在10歳の子どもはこの時40歳と働き盛りど真ん中。そう考えると我々の子どもたち世代には何かしらの影響があると考えて良いでしょう。

【生産年齢人口】(※2)

  • 7,400万人(2020年)
  • 6,900万人(2030年)
  • 6,000万人(2040年)現在比▲1,400万人:オーストラリア一国分の労働力人口に匹敵(※3)
  • 5,300万人(2050年)
  • 4,800万人(2060年)現在比▲2,600万人:韓国一国分の労働力人口に匹敵(※4)

20年後の2040年には現在よりも1,400万人減ると言われており、これはオーストラリア一国分の労働力人口にあたる数字です。

さらには、2060年には2,600万人減少で、これは韓国一国分の労働力人口にあたる数字です。

近い将来、国一つ分の労働力人口に匹敵するレベルの、すさまじい数の生産年齢人口が減少するということがわかります。

ちなみに2020年の日本人の平均給与額は433万円(※5)ですので、2040年までに減る1,400万人を掛け算すると、(仮に生産年齢人口全員が働くとした場合)約60兆円の労働力が消滅すると表現できるのではないでしょうか。

出典:総務省「情報通信白書平成30年版」

【労働力人口】(※6)

6,530万人(2017年)
6,565万人(2020年)
6,366万人(2030年)
6,024万人(2040年)
(成長実現且つ労働参加シナリオの場合の推測)

直近の労働力人口の推移は総人口と生産年齢人口の推移とは異なり、2017年→2020年で微増して、その先も減少幅はそこまで大きくありません。これはいわゆる女性活躍やシニア活躍による効果といえるでしょう。

しかし、それ以上に今後の総人口と生産年齢人口の減少は大きくなっていくことを考えると、徐々に労働力人口も減少の一途をたどっていくことが推測できます。

最後に、これらが私たちの生活にどのような影響を与える可能性があるかについて、俗に言う「2030年問題」と照らし合わせて見てみることにいたします。

2030年問題について

2030年問題とは、人口の問題だけではなく、2030年に表面化すると考えられる複数の社会問題の総称として使われている言葉です。

まず2030年には日本の総人口の1/3が高齢者となります。
※WHO(世界保健機関)が、高齢化率(総人口における65歳以上人口)21%以上を「超・高齢化社会」と、と規定しているので、2030年の日本は「超・超・高齢化社会」と言えます。

これに伴い、生産年齢人口が減るので、自ずと労働人口も減少します。

多くの企業での人手不足、社会保障費の増大、過疎地域の増加、GDP低下による国の財源確保が困難となる など、複数の問題が連鎖して発生することが予測されています。

これによって、様々な考え方やシステムの変更を余儀なくされることになります。

多くの企業が人手不足で倒産するかもしれません。

私たちが負担する社会保障費は今の倍になるかもしれません。

GDP低下によって財源がなくなることで様々なことを諸外国に頼らざる得ない国になるかもしれません。

こういった未来がすぐそこまで迫っている事実を私たちは正しく認識しなければならないですし、国民一丸となってこの問題解決に向けて動くべきではないでしょうか。

—–
いかがでしたでしょう?

私たちの生活には関係ないと思われがちの労働力不足問題ですが、少しでも身近に感じていいただけたら幸いです。

次回のオープンファクトブックでは、「労働力不足が発生する要因やその対策」についてご紹介します。

■参考・出典
※1 総務省統計局 「労働力調査 用語の解説」(2018年5月)

※2 総務省「情報通信白書平成30年版」(2018年7月)

※3 独立行政法人労働政策研究・研修機構「基礎情報:オーストラリア」(2020年2月)

※4 独立行政法人労働政策研究・研修機構「基礎情報:韓国」(2020年2月)

※5 Yahoo!ニュース「日本は平均年収が30年以上変わっていない?年収400万円は全体のうち何パーセントか」(2022年3月)

※6 独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働力需給の推計」(2020年3月)

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