CULTURE
2026/02/19

AI駆動開発を“当たり前”にするまで。理想と現実に向き合ったエンジニアたち|AI導入最前線 イベントレポート

みなさん、こんにちは!人事部の伊藤です。

私たちの日々の生活や業務において必須といえる存在になったAI。
ソフトウェア開発の現場では「AI駆動開発」という言葉は、もはや珍しいものではなくなりましたね。

2026年1月20日、paiza株式会社とうるるの共催でオンラインイベント「AI導入最前線!理想 vs 現実『AI駆動開発の組織実装』」 を開催いたしました!

本記事はイベントレポートとして、「組織にAIを実装する」とはどういうことか?を語るエンジニアたちの想いと工夫をお届けします。

うるるでは、ソフトウェア開発における市場の変化に対応し競合優位性を確立するため、AI 駆動開発の推進を開始しエンジニアの成長と体験への投資を強化しています。

▼「AI 駆動開発の推進計画」についてのプレスリリースはこちら
https://www.uluru.biz/news/15789

しかし推進計画を実行するには、予算獲得、組織文化、そして技術的な理想と現実のギャップまで、多くの壁が立ちはだかります。

イベント前半ではうるるでAI活用を牽引する3名のエンジニアがLTを発表し、各自が力を入れて推進した具体例を発表。そして後半ではモデレーターを務めるpaiza株式会社 取締役会長の片山良平氏とのパネルディスカッション形式により、高い壁に真正面から向き合った経験をリアルに語りました。

エンジニアたちの執念と泥臭い知見の詰まった60分。本記事でもそんな熱量が伝わると嬉しいです!

なぜうるるは「組織として」AI駆動開発に取り組むのか

まずは執行役員 VPoEの長屋洋介のLTからスタート!
テーマは「TTPSから始めたAI駆動開発の組織実装」

AI駆動開発に取り組む背景と、導入初期に直面した壁について語りました。

AIは、インターネット登場以来のビッグウェーブ。
他社に置いていかれれば、相対的に競争⼒は低下する。

しかし、この⼤きな波を乗りこなせば、⼤きく成⻑していけるチャンスだ。

と、VPoE としての「焦り」と「期待」があった当時の感情を振り返ります。

AIの可能性が語られる一方で、実際に組織へ導入しようとすると合意形成や予算の問題が立ちはだかります。またスピードが鈍化しては、せっかく打ち立てた戦略も市場に遅れを取ってしまいます。

そんな背景から、AI活用を事業価値・リスク・ガバナンスの観点で整理し経営層と対話を重ねていったプロセスや、現場への定着スピードを意識した実行戦略を紹介。

素早く始めてトライ&エラーを重ねていくスタンスを軸に、手段は先行事例としてすでに存在するソフトウェア開発を行う各社の素晴らしい取り組みを参考にする。ただし模倣するだけでなく、しっかりとうるるの組織に落とし込むという、組織の最適化までのプロセスが語られました。

素早い浸透を目的に、AIに関心の高いエンジニアを集めた横断チームを組成。
各開発チームで検証を進め、その学びを組織の”共通知”に昇華するサイクルを築き上げました。

技術の進化のような外部環境に適応するには、エンジニアメンバー個々人の”Will”と組織目標との「重なり」が重要であると締めます。

戦略を動かすのは一人ひとりの動機であるという、経営陣ならではの視点が印象的なセッションでした。

チームにAI開発を持ち込み、定着させるまで──成功と失敗の分岐点

2人目に登壇したのは、Govtech事業本部 開発部 AI活用課の栗原史明。
テーマは「チームにAI開発を持ち込み、定着させるまで」

AI駆動開発を“個人の工夫”で終わらせず、チームとして根づかせるまでのリアルな試行錯誤が語られました。

Claude Code など自走型エージェントの登場をきっかけに「組織で使ったらどうなるのか?」を検証するため、PoCとして本格的な挑戦が始まります。

しかし、導入初期に直面したのは“期待通りに進まない現実”でした。

AIが生成したコードは冗長だったり設計意図を汲み取れていなかったりと、そのままではコードレビューに耐えないケースも散見され、結果として、AI生成コードが信頼できない・プルリクエスト(PR)の量が増え、コードレビューが滞留するといった問題が顕在化します。

栗原が強調したのは、これらは「AIの性能の問題」ではない、という点です。

原因を掘り下げていくと、実装ルールや設計方針、レビューの基準や役割の属人化といった、もともとチームが抱えていた課題が浮き彫りになったといいます。

そこで栗原たちが取り組んだのが、「実装」と「レビュー」の両軸でAI駆動開発を支える仕組みづくりでした。

実装面では、チケットの記述を徹底的に明文化。

「何が課題で、何を解決し、どこをゴールにするのか」を共通言語化し、AIにも人にも同じ情報が伝わる状態を目指しました。また、リポジトリ内にAI向けのルールや知識をまとめたディレクトリを整備し、“指示のムラ”を減らす工夫も紹介されました。

一方レビュー面では、AIによる一次レビューを導入。

最終判断は人が行う前提を崩さず、人は「本質的な確認」に集中できる状態をつくることで、レビュー負荷と属人性の解消を図ったといいます。

AI駆動開発を定着させるために必要なのは、ツールを増やすことではなく、チームの前提やルールを整えること。

栗原の発表は、そのことを強く実感させる内容でした。

Devinを現場に投入して見えた、理想と現実──保守タスク運用のリアル

3人目に登壇したのは、えんフォト事業本部 開発課のSREチームでスクラムマスターを務める山田千紘。
テーマは「Devinを現場に投入してみて見えたリアルと試行錯誤」です。

Devin導入を検討した背景には、エラー調査やバグ修正、ビジネスサイドからの改修依頼など、日常的に発生する保守タスクを効率化したいという狙いがありました。

特に、Slackを起点に依頼から実装までをつなげられる点に、大きな可能性を感じたといいます。

しかし、導入は決してスムーズではありませんでした。

Devinを動かす前段階として、Devin専用の開発環境(Devin’s Machine)の構築や自律的に動かすためのナレッジやルール整備という準備が必要でした。

特に苦労したのが、開発環境のセットアップ。

リポジトリ構成やコンテナとの相性など、既存の開発環境の複雑さが壁となり、技術的負債を抱える開発環境において実行する難易度の高さを語ります。

また人間同士なら口頭で補えるルールも、AIには通じません。Devinを導入したことで、組織に潜んでいた技術的・運用的な負債が可視化されたといいます。

運用開始後も実際Devinを動かさないと分からない問題が次々と発生するも、試行錯誤を重ね、保守タスクにおいてはDevinが要件整理から実装、PR作成までを担うフローを確立。数々の壁を乗り越えた苦労から得た学びを、以下のように語りました。

山田が最後に伝えたのは、「Devinに限らず、AIツールを活かす鍵は“暗黙知を減らすこと”」というメッセージです。

AI導入はゴールではなく、ドキュメント整備や開発環境改善を進めるための“きっかけ”にもなり得る。そんな現場視点の学びが詰まったセッションでした。

理想で終わらせないためには

3人のセッションが終わり、パネルディスカッションに移行。

社内の巻き込みの具体事例や、意思決定をするポイント、ClaudeCodeの運用についてなど、文化としての浸透から開発現場における技術的な取り組みに至るまで、多様なテーマに踏み込んでいきます。

登壇者たちの回答で共通していたのは、完璧な正解はなく、試行錯誤を続けるしかないというスタンス。

ただし、その試行錯誤を

  • 個人に閉じず
  • 組織として共有し
  • 次の意思決定につなげる

このサイクルを回せるかどうかが、AI駆動開発を“理想”で終わらせない分かれ目なのだと感じさせる時間でした。

編集後記:「組織にAIを実装する」とはどういうことか

本イベントを通じて伝わってきたのは、AI駆動開発はツール導入の話ではなく、組織づくりそのものだということです。
AI導入に悩むエンジニアやマネージャーにとって、理想論ではない、現実に立脚したヒントが詰まったイベントでした。
AI駆動開発は、導入して終わりではなく、試し続け、学び続けるプロセスそのものだと感じています。

うるるはこれからも、現場の試行錯誤を大切にしながら、組織としてAIと向き合い続けていきます。

そしてうるるでは、AI駆動開発にともに取り組んでくれる仲間を絶賛募集中です。
うるるのエンジニア組織について、詳しくはこちらをご覧ください!

▼うるるRecruitBook(エンジニア向け)

▼うるる採用サイト
https://recruit.uluru.biz/

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