
成功も、その裏にある失敗も。全員で称え合い、挑戦し続ける! <第四回ULURU Adventure Cup イベントレポート>

今年も大盛況のうちに幕を閉じた『ULURU Adventure Cup』。当社が四半期ごとに実施する4大イベントの一つであり、うるるスピリットにある「ベンチャースピリットを持ち、成長し続ける」の浸透を目指し、「チャレンジすることを大切にする会社である」という経営メッセージを伝える場になっています。イベントでは、日々の小さなチャレンジから事業を動かす大きなチャレンジまで、失敗も成功もすべてを称賛し合います。
四回目の今年は16組がエントリー。そのなかからファイナリストに選出された8組が全社員の前でプレゼンを披露し、グランプリを決定します。
今回も元NHKアナウンサーでありマツモトメソッド代表取締役の松本和也さんに、プレゼン講師とイベントの司会を務めていただきました。
コミュニケーションのプロである松本さんをもうならせた、自信に満ちあふれる8組のプレゼンを中心に、本イベントを完全レポートします。
目次
オープニング
エモーショナルなオープニング映像でスタートした本イベント。松本さんとともに登場した社長の星は、イベント開催による社内の変化をこのように話します。
「うるるは『労働力不足の解決』をビジョンに掲げてチャレンジしています。こうしたイベントを繰り返すことによって、チャレンジすることが一つのモチベーションになっていくと思っています。そして、勇気を振り絞って登壇するファイナリストの姿が、次のチャレンジャーを生み出すきっかけにもなれば、嬉しいです」
続いて、松本さんが今回エントリーした16組の“勇敢なチャレンジャー”を紹介。そして、高揚感のあるBGMに乗せて、ファイナリストに選出された8組が発表されました。
いよいよプレゼンがはじまります。
審査の流れと採点基準
審査の流れ・・・プレゼンが終了するたび、ファイナリストに個別投票を実施。8組のプレゼン終了後、優勝者決定投票を実施。役員、従業員ともに、一人1ポイント保有。
プレゼンの採点基準・・・「チャレンジング」「工夫」「成果」の3つの項目で評価。
チャレンジング:影響範囲、規模の大小、巻き込んだ人数、難易度などにかかわらず、その取り組みが当人にとってどれだけチャレンジだったのかを評価。失敗によって起こるリスク、チャレンジを行わず放置していたら起こるリスクを背負って実施した場合、それらも加点要素。
工夫:今回のチャレンジの目的、目標を達成するために行った工夫を評価。どのような課題や障壁を想定してその工夫を実施したのかが明確であればあるほど、加点要素となる。
成果:その取り組みによって得られた成果を評価。仮にその取り組みが失敗したとしても、そこから得られた成果も加点要素となる。未来に予測する成果も可。
ファイナリストによるプレゼンテーション
トップバッターは、BPO事業本部 渡辺亮太さん。

プレゼンテーマは、『既存事業と新規プロダクトの二刀流 うるるのオオタニサンとは俺の事!』。既存の売上を維持しながら新たな可能性に挑戦するべく、PDCAを回し続け、BPO事業における成長の道筋を描いた点が評価されました。
紙文書の電子化は現在、BPO事業の中で大きな需要があるものの、「ペーパーレス化の流れを受け、いずれは先細りするだろう」と、渡辺さんは将来のリスクを口にします。そんな渡辺さんのチャレンジは、BPO事業の新しいニーズを掘り起こすこと。二つの新規プロダクトを開発するだけでなく、ニーズをつかむために全国津々浦々の顧客のもとへと足を運び続けます。また、受注に向けた営業活動では、パートナー企業と共同戦線を張り、お互いの商材を顧客に紹介するスタイルで営業範囲の拡大に成功。その結果、パートナー企業経由で受注を獲得し、電子化案件に依拠しないBPO事業の糸口をつかみました。
「新しい挑戦にはリスクもありますが、それを乗り越えることで新しい未来を切り開くことができます。一緒にうるるの未来をつくりましょう」。そう話して、プレゼンを締めくくった渡辺さん。その姿には、チャレンジャーとしての風格が漂っていました。
星は、「チャレンジの内容もよかったし、プレゼンも分かりやすかったです。営業のネットワークをつくるうえで相手と良好な関係を築ける点は、亮太くんならでは。素晴らしいチャレンジだと思いました」と講評しました。
続いて登場するのは、People & Culture本部 人事部 南百瀬珠智さんです。
うるる初となる新卒採用のインターンシップを企画した南百瀬さん。経営と現場が一丸となった取り組みが学生の心をつかみ、採用成果につなげた挑戦が評価されました。プレゼンタイトルは、『うるるギネスへの挑戦! 役員・現場・人事 ワンチームで創る新卒採用インターンシップ』です。
南百瀬さんは、学生にうるるの強みであるカルチャーを最大限に体験してもらい、内定者の獲得につなげようと、インターンシップを企画。実施にあたっては、「関わる全ての人がワンチームになることにこだわってきた」と話します。しかし、通常業務と並行して進むプロジェクトに対し、当初役員や社員からは業務ひっ迫への懸念の声があがります。それでも、中長期的には必ず成果につながるという強い信念をもって一人ひとりと向き合い、20人を超えるプロジェクトの組成を実現。インターン当日も即時の改善活動や学生への声かけ、全体の場づくりに努めたことが実を結び、参加者の中から複数名の入社承諾者を得ることができました。
「ワンチームという言葉を大切に取り組んできたからこそ、仲間を巻き込んだ挑戦ができ、カルチャーも伝わり、入社希望の学生さんを獲得できたと思っています」と語る南百瀬さん。その明るい表情から、チャレンジの充実度が伝わってきました。
星は、南百瀬さんのチャレンジをこのように評価しました。「インターンによる内定受託率は高く、うるるのカルチャーを理解したうえで入社を希望してくださる方が増えたと感じます。素晴らしい取り組みです」
三番手のプレゼンターは、People & Culture本部ブランド戦略部の 高橋久美(@fjmtkm710)さんです。
プレゼンタイトルは「信念と熱意で切り開く過去最難関ネタ入札PRへの挑戦」。政府をも巻き込んだ難易度の高いPR施策を完遂したことが評価され、この場に立っています。
高橋さんは、昨年11月にうるるが行った、スタートアップの入札参加促進プロジェクト成功の立役者です。
入札サービスであるNJSSは生活者との関係性が薄いことから、メディアが取り上げにくく、サービス訴求の難しさが課題にありました。そこで、高橋さんは「スタートアップの入札参加を促進する」という政府の方針をフックにしたPR企画を起案。同時期に実施したfondeskの記者発表会を抱えながら、政府の担当者を巻き込んだ大がかりなイベントを展開し、当初の目的であるメディア露出を実現します。さらには、イベント終了後に政府からイベントへの登壇依頼が舞い込み、担当役員からの「PRの力で政府から声がかかる状態をつくってほしい」という難題も見事クリアしてみせました。
「このチャレンジで、なんとしてでもやり切るためには信念と熱意の火を灯し続けることが大事だと学んだ」と話す高橋さん。この先もアドベンチャーを続けていく、という力強い決意表明でプレゼンを終えました。
星は、「何かの舞台を見ているかのような臨場感がありました。内容も面白いし、ストーリーも完成していて、レベルの高さに驚きました」と講評しました。
四番目にステージに立ったのは、NJSS事業本部 星野遼河さんです。
プレゼンタイトルは、「問い合わせ対応を進化させるCSの挑戦と失敗」です。
星野さんは、NJSSが目指すべき理想のカスタマーサクセス(CS)を「顧客が必要な情報をスムーズに得られ、迅速に課題を解決できる環境の提供」と考えるものの、現実はCS担当者のリソースの多くが顧客対応に割かれており、顧客の成長支援や価値向上のための施策に十分なリソースを確保できない点が課題だった、と振り返ります。
「未来のNJSSをもっと使いやすくするために、お客さまの自己解決をサポートする仕組みを整えること。それが今回のチャレンジでした」
星野さんはFAQページの見直しを軸に、情報の充実を図るだけでなく、UIを改善するなど、徹底して課題と向き合います。その結果、お客さまがよりスムーズに情報を得られるようになり、問い合わせの時間が短縮。これにより、CSチームはより積極的に価値提供の施策に取り組める可能性が広がりました。
「この取り組みをきっかけにに、今後もお客さまが快適にサービスを利用できるようなサポート体制を進化させていきます。」と、まっすぐ前を見据える星野さん。サービス価値向上につながる新たな挑戦として、大きな期待がよせられるチャレンジとなりました。
星は、「CSはお客さまに満足していただくだけじゃなく、プロダクトのUI/UXの改善、他チームとの連携を通じたサービス価値向上にも関わる広範なものです。その点、今回の取り組みはこれらすべてに通ずる、よいチャレンジだったと思っています」と、星野さんのチャレンジに講評しました。
これで、前半4組のプレゼンテーションが終了。休憩を挟んで、後半戦のスタートです。
5組目の登場は、NJSS事業本部 松下博樹(@hirokiii_m21)さん。
プレゼンタイトルは「営業からエンジニアへ! 未経験から挑んだ前例なき挑戦」。未経験からエンジニアに挑戦し、生成AIを活用した新機能開発で工数削減へと未来を切り開いた点が評価されました。
CSとして顧客の課題と対峙するなか、技術的な課題と遭遇した松下さんはそれらを自ら解決したい、と未経験から念願だったエンジニアへジョブチェンジを果たします。そんな折、舞い込んだのが、生成AIを使った開発案件です。
「チーム内に前例はなく、しかも自分がほぼ一人で担当することになりました。プレッシャーのかかるチャレンジに、当初は全く手が進みませんでしたが、私はNJSSの営業経験を持つ唯一のエンジニアです。その知見を活かしながら開発を行えたことで、当初の想定よりも早くリリースすることができました」
松下さんが手がけたプロダクトによって、NJSS事業本部では作業コストの大幅削減と販路拡大による売上向上が期待されています。
「私の挑戦が、皆さんの前向きな気持ちを後押しできたらとても嬉しいです」と、達成感のある表情を見せた松下さんでした。
プレゼンを終え、星は、 「僕は『100万人に一人になる』という話が好きなのですが、松下さんはそのコースを歩んでいますよね。そのためには、100人に一人になれるレベルのことを3回やり切る必要があるんですが、コンプリートできたときには、ものすごくバリューのある人になれると思っています。そこを目指し、さらなるチャレンジをしてください」と松下さんへの期待を述べました。
続いてのプレゼンターは、経営推進本部 曽與島弘貴さんです。
プレゼンタイトルは、「EBITDA15億円達成の舞台裏~中計最重要指標達成に向けた予実統制担当の奮闘~」。全社利益目標達成のため、精緻な予実統制と柔軟なハンドリングで中計最終年度を成功に導いた点が評価されての登場です。
うるるは昨年までの5年間に掲げていた中期経営計画の中でも、最終年度におけるEBITDA 15億円の達成を最重要指標として掲げ、広く発信していました。そのようななか、曽與島さんの役割は、目標達成に向け、全社業績をウォッチすること。
「私は、各部の業績の変動要因を全て把握したうえで業績を見極め、目標達成に向け必要なアクションを検討する立場にいました」
未達が見込まれるならコスト抑制などでEBITDAを捻出する、上振れるなら投資を検討するのが、予実管理を統制する曽與島さんのもう一つのミッションです。しかし、投資を進めた結果、目標未達に終わるようなことがあってはなりません。曽與島さんは、管理ノウハウの明文化、予実管理プログラムの構築、各部との密な連携など、ソフトとハードを織り交ぜた工夫と検討を重ね、無事目標を達成。全社一丸で高い目標を乗り越えたという「うるるとしての誇り」を得られたことが一番の成果だったと振り返ります。
曽與島さんは、「この誇りを胸に、世界に期待され、応援される企業を目指し、これからも一丸となって頑張っていきましょう」と語りかけ、プレゼンを終えました。
星は、「うるるの経営企画部門は中計の途中で設置されたのですが、いまでは僕にとっても頼れる存在です。存在感が年々増してきていると感じます。EBITDAの達成を、裏方となって統制したことは素晴らしい成果でした」と講評しました。
7人目に登場したのは、NJSS事業本部 高樋詩織さんです。
プレゼンタイトルは、「よりよい価値提供へ~6,400社への挑戦~」。
NJSSにとって顧客により大きな価値を提供し続けることはは、うるるの成長にもつながる大切なファクターです。そのため、「顧客にとって最適なプランを提案することは急務」と考えた高樋さん。CS課の一員として、契約の更新時のフォローと新たな活用提案にチャレンジしました。
「しかし、NJSS追加オプションが限られているため、更新の前後でサービス内容に変化が見えにくいこと、どの顧客とどのような対応をしているのか不透明なこと、そして、経験の浅い新人メンバーが多いことが課題としてありました」
そこで高樋さんは、メンバー一人ひとりが顧客にどのような説明を行い、サービスの価値を説明しているのかを分析。さらには、メンバー間で比較分析できる可視化シートも作成し、より伝わりやすい提案手法の整理に取り組みました。その結果、多くの顧客とより深い対話をすることができサービスの活用幅を広げる提案が実を結びました。
「この成果を基に算出した将来売上予測を達成できるよう、今後もチャレンジし続けます」の言葉で締めくくった高樋さん。イキイキと話す姿が印象的でした。
星は高樋さんのプレゼンをこのように講評しました。「とても説得力のあるプレゼンでした。顧客により良いサービスを提供し続けることはは会社の収益に直結する重要な施策なので、非常に素晴らしいチャレンジと成果になっていると思います。さらなるチャレンジを期待しています」
「最後のプレゼンターです」の声に呼び込まれて登場したのは、NJSS事業本部 高澤舞香さんです。
プレゼンタイトルは、「新規事業にゼロから挑戦!カスタマーサクセス経験を超えて切り開いた道」。CS経験から抜け出し、未経験分野の新規事業営業を実現。ISからFSを一気通貫し、売上拡大に貢献したことが、選出理由となりました。
高澤さんのチャレンジは、CS課以外の業務未経験ながら既存サービスの拡販という新規事業に臨んだことでした。そのために行った工夫は、営業活動の型化による再現性の確保です。これで安定した結果を出せるようになったものの、チャレンジが進むにつれ、営業リストは最終ページまであとわずか。新たな顧客を発掘するべく、次の一手としてサービスと親和性の高い顧客に案内を送りますが、思うような反響につながりません。
「当時の私は目的思考が乏しく、とりあえず走り出してしまったことが失敗の理由でした。この経験から、反響のある人とはどんな人なのかを再度考え直しました」
高澤さんは送る相手と訴求内容の抜本的な見直しを実施。すると、今度は大きな反響が得られ、目標達成を見込める成果へとつながります。
「CSしか経験のなかった私が大きく成長できたこと、支えてくださった皆さん、与えてくださった環境に感謝しています。来期の目標達成に向けてさらに邁進します」
星は、「若手社員が新たなことにトライアンドエラーしながら取り組むというテーマがまず面白いですし、チャレンジとは自分で仕事を面白くできる原点であることにも気づかせてくれますよね。楽しそうに仕事をしている様子が伝わってきました」と講評しました。
以上、熱狂と歓声が渦巻くなか、8組のプレゼンテーションが終了。いよいよ社員一人ひとりによるグランプリの選出が行われます。
結果発表
短い休憩後、会場に響き渡るのは松本さんの「結果発表!」の声。
第4回Adventure Cupグランプリとして名前を呼ばれたのは、3番目に登壇した高橋久美さんです。
高橋さんには星から表彰状、目録、花束が贈られたのち、星との記念写真に収まります。息つく暇もないまま、松本さんからのインタビューに応じる高橋さん。受賞の喜びをこのように話します。
「このチャレンジは、Adventure Cupで発表するまでを描いていたのですが、まさか優勝できるとは思わなかったので、嬉しいです。Slackでもたくさんの『おめでとう』をありがとうございます。所属部署としてはイベントを運営する側のため、本来なら『おめでとう』をいっぱい言う立場なので、とても新鮮です」
イベントは最高潮に達すると同時に終盤を迎え、最後は星による総括です。
「プレゼンターのレベルが上がっていることを目の当たりにしたイベントでした。
改めて、Adventure Cupの良いところは、それぞれが業務の中で行っているチャレンジの中身を知れることです。これらは皆さんの刺激にも学びにもなっていると思います。ただ、私としては、発表内容は失敗でも構わない。『チャレンジ』が大切なので、結果はどちらでもいいんです。成功に至るまでには失敗もしているはずなので、『やっちゃいました。でも、こんなトライをしました。こんな可能性を感じました』のような話も聞いてみたいです」
3時間に及んだAdventure Cup。第四回となった今年もあっという間に終わってしまいました。新たなる“勇敢なチャレンジャー”の登場が待ち遠しくなる、そんな余韻の残る大盛況のイベントでした。