VISION
2024/06/28

「株主との約束を守る企業でありたい」。代表星が語る、中計達成にこだわり続けた想いと、うるるのこれから

うるるは2019年に策定した5カ年中期経営計画(以下、中計)を達成しました。ここにたどり着くまでの5年間にはいくつものターニングポイントと、その都度の決断があり、アクションにつなげていくことの連続でした。

うるるの歴史に刻むこのトピックを振り返って、いま、思うこととは――。代表の星が語ります。

ビジョン達成に向け、リスク恐れずアクション

このたび中計を達成しました。いまの率直な思いを聞かせてください。

古里

うるるの歴史において大きな成果を得られた、という思いです。5年という長期かつ未知のチャレンジに成功し、「うるるは自ら立てた目標を約束通り達成できる会社である」という実績を得られたことは、大きな自信にもなりました。

中計策定は当時、どのような思いのもと行ったのでしょうか。

古里

リスクを取らないことが一番のリスク、と思っていました。5年前の当社は売上が22億円、成長率が10%台だったんですが、この水準のまま業績が推移したとして売上規模がたとえば1,000億円になるのはいつだろうと計算したとき、僕はこの世にいないんじゃないかな、と気づきました。(笑)

(笑)とてつもない時間がかかることがわかったんですね。

古里

そう、だから短期間で成果を出して、ビジョンを達成していくことを考えると、もはやリスクを取らない選択肢はないと思いました。

成長の角度を上げなければ、という思いだったんですね。

古里

もう少しシンプルにお話しすると、当時の売上22億円から100億円を目指すにあたり、10%の成長率のままだと16年かかります。けれども、成長率が20%になると8年で達成ができる。売上も20%なら16年後には400億円になる、というように指数関数的に圧倒的な差が出てくるので、成長率を上げていくことはうるるにとって重要な指標でしたし、これからも目指していくことになると思います。

経営メンバーの中には、リスクを取ることへの慎重論を唱える人もいたと思うのですが、どのように合意形成を図ったのでしょうか。

古里

慎重派がいることで、牽制も効くし、議論も生まれます。むしろ、最初から全員が同じ方向を向いている経営は危ないとも思うので、気持ちを一つにしていくプロセスはあって当然だと思います。

議論をすることでよりよいものに仕上げることができますもんね。

古里

ただ、計画自体は、僕の鶴の一声がきっかけでした。それまでは「引き続き、増収増益を目指して頑張ろう!」のような頑張り方でした。

いわゆる予定調和の筋書きですね。

古里

はい。そこに「それでいいのだろうか」と僕が切り出したことで、経営陣らが新たな視点を持って考えるようになった節はあったと思います。そのための方法論までは深く考えてなかったけど、「10%ずつ地道に成長する会社よりも、リスクを背負ってでも高い成長率を出せる会社でありたい」と思わないことには始まらないと思っていました。それが僕たちのスタートでした。

コントロールできない課題も受け止め、初志貫徹を実行

計画の途中で、株式市場の評価トレンドが、PSRからPERに変わりました。うるるとしてはそれまでPSRを意識していましたが、これに対する困惑や焦りはありましたか。

古里

思惑が外れたな、とは思いましたね。とはいえ、新しいトレンドに合わせて計画を見直すのではなくて、「当初立てた計画を達成しよう」と意志ある決断をしていました。

そうこだわったのはなぜですか?

古里

「公開した目標を達成する」という“トロフィー”が欲しかったからです。トロフィーがあれば、今後、僕らが取るアクションに期待を寄せてくださる投資家がいまより増えるかもしれません。短期的にみれば、当初の計画を反故してうまく立ち回ったほうが良かったのかもしれませんが、投資家からの信頼を得られれば、長期的にはビジョン達成の近道になると考えました。

中計達成の振り返りと、これから

まず中計2年目が終了した時点で、売上高は当初目標の48億円を1年前倒しで目指し、最終年度は売上高58億円を目指す、上方修正を行いました。この点はどのように評価していますか。

古里

結果として上方修正というポジティブな開示ができましたが、これは5年目に向けた布石であり、冷静に受け止めていました。

そうなんですね。やはり最終年度のEBITDAが重要指標ということはずっと共通認識だったんでしょうか。

古里

そうですね。5カ年のうち僕らが最重視していたのが、3年目のトップラインと5年目のEBITDAです。だから、上方修正はポジティブな開示になったけど、最終年度を迎えるまでは安心できませんでした(笑)。

結局、最終年度のEBITDA15億円達成を開示できても、このときは株価への大きな影響は見られませんでした・・(苦笑)

古里

そうですね(笑)。IR関連の情報メディアで盛り上がるかなと思ったけど、アテが外れましたね(笑)

でも我々が理念に掲げる「世界に期待され 応援される企業であれ」は、まだまだ道半ばなんだなって改めて認識できて、逆に気を引き締めることができました。

これまで堅実に成長を続けていると感じていますが、今後どのような点に意識し、企業の成長を目指しますか。

古里

きっと堅実に成長しているだけでは、期待にいま一つ欠けるのではないかなと思っています。もっと、ワクワクドキドキするような要素がないと、期待も応援もされないと思っています。

心が動くほどの感動がないと、ですよね。

古里

そうですね。我々も自らの存在意義を再認識する必要があると思います。そのうえで、ワクワクドキドキできる要素が市場に求められているのならば、それをIRやPRで発信していくほかブランディングに注力していく必要があると思います。

うるるファンを創造していく必要性がありますね。

古里

株主や投資家からの「あの会社なら、やってくれそうだよね」のような期待を、しっかりつくっていきたいですね。

改めてこの5年を振り返っての所感を聞かせてください。

古里

中計を達成できて良かった、という気持ちがまずあります。「うるるは約束を守れる集団でありたい」という意味では、良い結果を出すことができました。ただ、後半は中計という約束があるからこそ、大きな挑戦を我慢する側面もありました。トロフィーを得たいという気持ちと天秤にかけて、ずいぶん葛藤しましたね。

アフター中計では、その思いを開放させていくような取組をしていくのでしょうか。

古里

そうですね。中期経営計画後の方針として、「ULURU Sustainable Growth」を掲げてはいますが、次の詳細な中計はあえて開示しませんでした。成長率はお見せしていますが、「毎年20%以上の成長を目指します」というよりも、今年度は10%、来年度は40%のように凹凸が出てくるかもしれません。このように自由度のある計画にしたのは、中計の制約にとらわれず、挑戦していきたい思いの表れとして受け止めていただけるとありがたいです。

次回は、中計達成を経て今後はどのような組織を目指していくのか、代表星に語っていただきます。

EDITOR’S PROFILE

古里栞
事業広報・コーポレート広報

新卒で入社した化粧品販売の仕事を経て、株式会社トリドールホールディングスへ入社。新卒採用・組織開発を経験後、組織の課題を解決するためオウンドメディアを設立。編集長として執筆・編集を担当。2021年8月からうるるにジョイン。事業広報とコーポレート広報担当。オウンドメディア編集長。好きなものは、昼から飲むお酒。土日は娘より本気で砂場遊びしている。

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