エアーズロックは"仲間"と見たから素晴らしかった。社名に込めた思い<後編>
前編の続きです。
目次
旅の中で出会った、世界中のすばらしい仲間たち
旅をしてみると、私たちみたいに、オーストラリアをラウンド(1週)している人がたくさんいました。
世界中の旅人と出会い、みんな貧乏旅行でした。
「あそこの街まで、俺も乗っけてってくれ。ガソリン代はシェアしようぜ」みたいな旅で。
お金はなかったから、掃除するからタダで泊まらせてくれ、という交渉や、途中で出会う農家に飛び込んで、収穫の手伝いするからバイトさせてくれみたいなことをして、小遣い稼ぎしながらラウンドを続けていました。
それが本当に楽しかった。
オーストラリアにいたのは1年くらいでしたが、実質、旅をしていたのは3ヶ月くらい。
とても濃い時間でした。
またしばらくして、ケアンズというところに滞在することになって。
シェアハウスを借りて、日本人と韓国人とスペイン人と、確か10人くらいで住んでいました。
そのシェアハウスで住んでた日本人も、ずっとそこにいるわけではありません。
当時は、みんな携帯なんて持っていなくて。
「じゃあ、クリスマスにシドニータワーで落ち合おうぜ」。
いざ、クリスマスの日。
そんな風にバラバラになった人たちが、全員が集まって、約束を果たしたんです。
何も示し合わせていないのに、みんな仮装してた。ノリが一緒だったんですよね。
トナカイになったり、ドラキュラになったり…なんか言い表せない感動がありましたね。
(余談ですが、そこで仲良くなった人の友人が、後にうるるの取締役になる長屋洋介でした)
いざ、エアーズロックと出会い感じたのは、その「異様さ」
オーストラリアでいろんなところに行ったし、いろんな場所をみてきました。
その中でも、エアーズロックの「異様さ」は、ずば抜けていました。
車で向かう中、エアーズロックのある街は砂漠気候の中にあります。
だから、360度なにもない。
地平線しかない。
人工物もない。
とにかく、何もない。
そんなところに、ぽん、とあるのがエアーズロック。
それは、不思議な感覚でした。
大自然の中で、ごーごーと鳴る、風の音。
じりじりと照る、太陽の暑さ。
それを肌に感じ、
そんな不思議な世界の中にある、一枚岩の存在感。
とても大きい。
山みたいものが、鎮座してる状態をとても異様に感じました。
もちろん、エアーズロックっていう存在を認識してるし、「これからエアーズロックを見に行くぞ」という状態だから、そのつもりで見に行きました。
それでもなお、その存在に対する感動っていうのを感じさせる、圧倒的な存在感。
原住民が崇めるのも分かる気がする…あの存在を知らない人が、いきなり見たら思わず手を合わせちゃいそう…そんなことを、当時も思った記憶があります。
日本に帰り、社内創業へ
オーストラリアにいたのは1年ほど。
日本に帰ってきてから、次に転職先を探すときに考えたのは、営業職であることと、社歴が浅い会社であることでした。
1社目もそうでしたが、若い会社の方が、会社と共に成長できるし、自分の存在が少なからず会社に影響を与えられるのではないか。そう思ったからです。
それで面接を受け、そこもまた「明日からおいで」と言われました。
21歳か、22歳ころだったと思います。
そこは教材販売をする会社でした。
でもここでも、すぐに疑問を持つことになります。
「この仕事は、ユーザーさんにとってはどうなんだろう」、と。
このときは、2~3ヶ月経って、すぐに辞めると伝えました。
ただ、そこでも営業としては結果を出していたため引き止められ、会社ではいろんな事業を検討しているから、別の事業でやらないか、と言われ、残ることにしました。
その後、さまざまな事業に関わりましたが、ブライダル事業は立ち上げから3年ほど担当しました。ゼロから立ち上げをし、いよいよ軌道に乗るぞ…というときに、また異動の話が。
ある教材販売をしているサポート部隊の動きが悪いので、なんとかしてほしい、とのことでした。悩んだ結果いざ異動してみると、なかなかの状態でした。
それでもなんとか、社会的な価値や意義のあるサービスにできないか、と頭を悩ませました。
そこで考えたのが教材を販売したユーザーさんに対して、教材で学んだノウハウを活用し、収入を得る機会をつくりだせないか、ということでした。
これが「在宅ワーク」をビジネスとして活用しよう、という発想の原点だったのです。
さっそく在宅ワーカーさんに「どんな仕事をやってみたいか?」とアンケートを取ってみたところ、データ入力をやりたいという回答が多くありました。
じゃあ、データ入力の仕事ができる会社をつくろう、となり、社内創業することになったのです。
親会社が使ってない休眠会社があったため、その会社名を変えて、新しいサービスをすることになりました。
それが、「株式会社うるる」です。
社名に込めたのは「仲間」と「存在感」
社名の「うるる」は、オーストラリアの中心にあるエアーズロックのことです。
オーストラリアの原住民から、原住民語で『ウルル』と呼ばれていることから、社名にしました。
二つの思いが、社名には込められています。
一つは、世界の中心のような存在になっていきたい、ということ。
エアーズロックを見たときに感じた、圧倒的な存在感。
またエアーズロックはオーストラリア大陸の中心に位置し、原住民は「大地のへそ」と呼び、地球の中心だと崇めているといいます。
私たち自身も、そんな存在になっていきたいと、考えています。
二つ目は、仲間と共に感動を共有できる会社にしたい、ということ。
エアーズロックを見たときに、とても感動しましたが、その感動は「仲間と一緒に見た」ということが、とても大きかったように感じます。
19歳のときにも、インドに一人旅行をしたこともありました。3週間くらいだったかなと思いますが、一人旅はあまりおもしろいと感じられなかった。
それは、感じたつらさとか、楽しさ、感動などを共有できる人がいなかったから。
でもオーストラリアで、仲間と一緒に過ごしたときは、つらさは半減するし、感動は2倍、3倍になる。
それが、仲間と過ごすことの大切さ、楽しさの原体験になってるかもしれません。
社名が決まったのは、2003年の10月。
ここが、社内創業をしたタイミングでした。
うるるにジョインするということは「人生を共にする」ということ
私にとっては、これまでの創業メンバー、働く従業員みんな、
またこれからジョインする人たちも「人生を共にする」という感覚が強いです。
だから、代表になった瞬間から、周りに仲間がいるから寂しさを感じたことがありません。
何でも分かち合うし、弱さも含めてさらけ出してしまうし。
でもそれは、「人生を共にしていこう」っていう覚悟を、最初に持っているからできているような気がしています。
一緒にやったことないから、これまで会社も創業したこともなかったし、だから一緒につくろう、みたいな感覚です。
だから、仲間はすごく大事だと思っています。