VISION
2025/12/17

【統合報告書2025解説】「人の成長=組織の成長」を加速させる次なる一手

みなさん、こんにちは。株式会社うるる 人事部の神崎です。

2025年12月17日、うるるは「統合報告書/価値創造ストーリー」をリリースいたしました。
既にご覧いただいた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の報告書では、CEOをはじめとする経営陣の想いと、現場での実践を結びつけるための新たな人材戦略をお伝えすることに注力しました。

「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」というビジョンを実現するためには、何よりもまず、そこで働く私たち自身が成長し続ける必要があります。

本ブログでは、統合報告書で触れられている人材開発領域を深掘りし、解説いたします。そして、ここから私たちがこれから取り組む挑戦「内発的成長モメンタム」の醸成について、その背景と展望をお話しします。

なぜ今、私たちは「内発的」な成長にこだわるのか。組織が用意するレールに乗るだけではない、個人と組織が重なり合う成長の形とは何か。ぜひ一緒に考えながら、お読みいただけたら嬉しいです。

はじめに・統合報告書に込めた「人」への想い

これまで私たちは、「人材成長定着企業」を目指し様々な取り組みを行ってきました。人材成長定着企業とは、「常に成長を感じられる環境・機会があり、安心して業務に専念できる状態が続く」企業のことです。

うるるの持続的な成長(ULURU Sustainable Growth)を支えるのは、間違いなく「人」であり、この軸がぶれることはありません。

そして今回、この目標をより確実なものにするために、人材戦略「ULURU Sustainable Growth for Talent」の核となる4つの中長期的課題を初めて対外的に宣言しました

1.ULURU-TA (Talent Acquisition):うるるのカルチャーに共感し、活躍できる仲間を採用すること
2.ULURU-HRD (Human Resources Development):入社した仲間が構造的かつ効果的に成長できる仕組みを作ること
3.ULURU-DEIB (Diversity, Equity, Inclusion, Belonging):多様な個を受容し、一人ひとりが自分らしく活躍できる戦略的な環境を作ること
4.ULURU-OD (Organization Development):組織開発を通じて、ワークエンゲージメントを高め続けること

これら4つの要素が有機的に連携することで、初めて人材成長定着企業の実現、ひいては、企業価値の最大化が実現すると考えています。

以前のブログでも触れた通り、私たちはこれまで人材開発を組織の重要テーマの一つとして捉え、あるべき姿を模索し続けてきました。そして今、たどり着いた構想を確かな手触りのある「文化」として定着させていく。 そのための強力なエンジンとして、「内発的成長モメンタム」という新たな概念を打ち出しました。

(統合報告書/価値創造ストーリーより抜粋)

なぜ今、内発的成長が大事なのか

さて、ここからが本題です。
私たちはこれまでも、従業員の成長を支援するために、様々な施策の導入・運用を行ってきました。「社内公募制度」や「eラーニング」、「成長支援制度(書籍購入や資格取得支援)」や各種研修などがあげられます。とはいえ、まだまだ課題が残っているものも多く、現在進行形で改善に向けて動いているものが複数あります。

制度の磨き込みに頭を使う一方で、私たちはある問いにも向き合いました。「仕組みを用意するだけで、人は本当に成長し続けられるのだろうか?」

研修や制度といった「外から与えられる施策」は、知識やスキルの習得には不可欠ですが、それだけでは「自律的に学び続けよう」という継続的な炎を燃やし続けるには不十分です 。うるるは毎年定期的に、従業員へ自身のキャリアについて問うアンケートを実施していますが、ここでも「今よりプラスαの成長機会が欲しい」「もっとビジネススキルを高めたい」という、現状に満足していない飢餓感にも似た声は少なくありません。

人が持続的に「成長したい」と心から思えている状態。それは、「上司からの指示」や「昇進・昇給のため」「危機感」といった外的要因よりも、「純粋に楽しい」「仕事の意義をもっと理解して、もっと貢献したい」といった、内発的感情が動いたときではないでしょうか。

私たちは、外からのアプローチだけでなく、従業員一人ひとりの内側から湧き上がる「学びたい・成長したい」という感情を呼び起こす仕掛けを作ることが必要なのではないかという考えにたどり着きました。これが、私たちが掲げる「内発的成長」の背景です。

内発的成長を促す「モメンタム」とは?

この内発的な成長意欲を一過性のもので終わらせず、組織全体に波及する大きなうねりにしたい。その想いを込めて、私たちは「内発的成長モメンタム」という言葉を使うことに決めました。

私たちは、この「モメンタム」を以下のように定義しています。

うるるの事業・ビジョンへの深い共感を原動力とし、一人ひとりが自律的に学び挑戦し続けることで、組織と個人の成長が一体となって加速している状態

ポイントは3つです。

1.原動力は「共感」:「うるるのビジョンを実現したい」「この事業には意義がある」という深い共感が、全ての出発点。
2.行動は「自律的」:自ら意志を持って、学び挑戦すること。
3.結果は「一体化」:個人の成長が会社の成長に繋がり、会社の成長がまた個人のチャンスを生む。このサイクルが回っている状態。

単に研修や制度を増やすのではなく、このような「文化作り・成長の循環創出」にコミットしていきます。

(社内イベントでの一コマ。挑戦について語るCEO星)

成長の循環を生み出す3つのフェーズ

では、このモメンタムをどのように醸成していくのか。私たちは、短期的な施策の連打ではなく、以下の3つのフェーズを通じた本質的な土壌改良を行っていきます。

1st Phase:共感の深化

<うるるのビジョンと個人のキャリアの接続>
最初のステップは、組織と個人の「ベクトル」を合わせることです。
会社が目指すビジョンと、個人が描くキャリアがバラバラのままでは、どれだけ素晴らしい研修を用意しても、それは「やらされ仕事」の延長になりかねません。
このフェーズでは、従業員一人ひとりが「なぜ、うるるで働くのか」「自分の仕事が、社会や会社にどのようなインパクトを与えているのか」を深く腹落ちさせる機会を重視します。
単なる業務知識の習得を超え、他部署の事業意義や仲間の想いに触れることで、自身のキャリアとうるるの未来をリンクさせる 。そんな「共感」の総量を最大化するアプローチを目指します。

2nd Phase:自律性の醸成

<挑戦と学びを促す環境の整備>
共感が生まれた次に必要なのは、一歩踏み出すための「心理的安全性」です。「失敗したらどうしよう」「制度を使うのは気が引ける」といった心理的ハードルを取り除き、「挑戦することが称賛される空気」をより当たり前にしていきます。
ここでは、既存の成長支援制度を単なる福利厚生としてではなく、挑戦のインフラとして再定義します。「学びたい・挑戦したい」と思った瞬間に手が届き、その行動自体が周囲から応援される。そのような、自律的なアクションが自然発生する風土づくりに注力します。

3rd Phase:成長の加速

<成果を可視化し、次の成長へつなげる>
最後のフェーズは、成長の「還元」と「連鎖」です。
個人のスキルアップが個人の満足だけで終わらず、明確に組織の成果(事業成長)に貢献している実感を持てる仕組みを構築します。
個人の成功体験はもちろん、挑戦した結果の失敗さえも「組織のナレッジ」として昇華させ、次の誰かの挑戦の糧にする。「個人の成長が組織を強くし、強くなった組織がより大きな個人の挑戦機会を生む」というサイクルの確立を目指します。

おわりに

今年度、「従業員と組織のチカラを最大化したい」という会社の強い意志のもと、人事部は組織体制が変わりました。私たち人事は、人事制度や研修プログラムを作るだけの存在ではありません。「うるるで働くことが、自分の人生にとって最高の選択だった」と全従業員が思えるような、熱量の高いフィールド(土壌)を耕すことがミッションです。

会社が一方的に成長を強いるのでもなく、個人が勝手に育つのを待つのでもない。 「会社が目指す未来」と「個人の自己実現」が重なり合い、互いに高め合う関係性。これこそが、私たちが目指す「ULURU Human Resource Development」の姿です。また、モメンタムの高まりは、後にエンゲージメントスコアなどの指標にも表れてくるのではと考えています。

今回のブログでは概念的なお話が中心となりましたが、社内にはすでに、この「内発的成長」を体現しているメンバーが多く在籍しています。

年明けからは、そんなメンバーたちが「どのように事業に共感し、自律的な挑戦で成長しているのか」、そして「挑戦を後押しするカルチャーの中でどんな成果を生み出し、未来の仲間に何を伝えたいのか」を掘り下げるインタビュー連載をスタートします。彼らのリアルな言葉を通じて、今回お話しした「モメンタム」が実際にどのような形をしているのか、お届けできることを楽しみにしています。

「人の成長=企業の成長」。この言葉を証明し続けるうるるの挑戦に、これからもぜひご期待ください。

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