自分たちが納得するサービス提供をーー「シュフティ」開発者たちの当事者意識
株式会社うるるは、クラウドワーカーを活用した「CGS(Crowd Generated Service)事業」を展開している会社です。今回は、当社サービス「シュフティ」の開発に携わる3名のエンジニアが、どのように日々奮闘しているのかをお伝えします。
目次
2007年から続く、お仕事マッチングサイト「シュフティ」
当社の代表的なサービスとして、2007年にスタートしたクラウドワーカーのプラットフォームである「シュフティ」があります。子育てや介護をしている主婦の方が、隙間時間にできるデータ入力などの簡単な仕事を紹介。クライアントとユーザー双方にとってWin-Winとなるサービスです。
2012年、「シュフティ」のユーザー数が3万人を突破した頃、開発課の現・マネージャーである萩原北斗がインターンとして当社に参画しました。
萩原「当時シュフティは、まだ大々的には世の中で認知されていませんでした。そこでもっとユーザー数を増やすため、リニューアルに携わることに。デザインを親しみやすいものにアレンジするなどの工夫を加えていきました」
開発課の努力は実り、リニューアル後はユーザー数が徐々に増えていきます。
そして翌年の2013年、シュフティの現・開発リーダーである石毛琴恵が中途入社。石毛は以前、1,000人規模の大企業で働いていました。
石毛「うるる入社前は、クライアントから来た仕事を受注してシステムを開発する、という働き方をしていました。そのため、言われた通りに作らざるを得ない環境だったんです。小規模のベンチャー企業であれば自分のやりたいことができると思い、うるるに入社しました」
石毛は入社後、官公庁や自治体の入札情報を民間企業向けに提供する「入札情報速報サービスNJSS(エヌジェス)」のシステム開発に携わることになります。
アプリ開発をきっかけに、事業成長がさらに加速
シュフティはその後も、順調にユーザー数を伸ばします。堅実な運営とリニューアルが功を奏し、2014年にはとうとう10万人を突破。
萩原「このときは、本当に嬉しかったですね。社内全体でお祝いもして。ケタがひとつ増えたことで、ユーザーさんはシュフティに価値を見出してくださっているんだろうと感じました」
自分たちが想いを込めて作ったプロダクトが、社会から受け入れられたときの喜びは格別です。萩原たちシュフティチームは、ユーザー数の増加に伴い、サービスへの当事者意識を強めていきます。
一方、開発課では、1クォーターごとに目標を定めて開発を進めていました。同年の春には、スマートフォン向けのアプリ開発を目標にして、プロジェクトを開始します。
萩原「当時シュフティでは、データ入力やライティングの案件が多く流通していました。このような仕事は、スマートフォンでも作業に取りかかることが可能です。そのためアプリとしてリリースすれば、もっと認知度が上がるのではないかと」
クラウドソーシングサービスのアプリをリリースしている会社は、当時はまだありませんでした。萩原を含めた開発チームは、スピードを重視してアプリを開発していきます。
しかし、うまくいくことばかりではありませんでした。当時のうるるには、アプリ開発の知見がまだ十分に蓄積されていたわけではなかったのです。
萩原「極端にいうと、アプリってスマホの画面上で見られるようにすればいいと思っていたんです。でも実際は、サーバーの構築も含め、やらなければいけないことがたくさんあった。焦っていたときに、先輩に何を用意すればいいのかを教えてもらいながら、何とかリリースにこぎつけましたね」
メンバーが一致団結して開発したことにより、3ヶ月という短期間でリリースに成功します。そしてこのアプリを配信することによって、ユーザー数は順調に増加していったのでした。
2015年には、NJSSのシステム開発を担当していた石毛がシュフティに参画。その後も、開発課にエンジニアの鈴木心之介が中途入社するなど続々と仲間が増えていきます。
鈴木「正直、ホームページを見た段階では、何をやっているか分かりづらくて、若干胡散臭い会社だなと思ってました(笑)。でも調べるうちに、NJSSが後発のサービスながらも、ちゃんと確立したサイトとして運営している。一方ではシュフティというサービスもあります。その多面性のあるところに惹かれて、入社することに決めました」
考え、悩み、模索する……エンジニアたちの奮闘
シュフティを担当して半年後、石毛は開発リーダーに抜擢されます。その直後、サービスの中で行われる入出金の機能を変えるプロジェクトが動き出しました。
以前はクライアントが振り込んで下さったお金とシュフティのポイントを交換し、それを案件ごとに割り振っていました。仕事を納品して得たポイントを、ユーザーが換金して収入にするという仕組みになっていたのです。
石毛「支払いをスムーズにできれば、ユーザーもシュフティを使いやすくなり、案件を多く引き受けてくれるのではと思いました。そこでポイント制度を廃止し、ユーザーがもっと早くお金をもらえるような仕組みに変えたんです」
一方で鈴木は、個人でシステム開発から運用まで行うフルスタックエンジニアとして活躍することになります。しかし入社当時は、引き継ぎすらスムーズに進まない状況でした。彼の仕事はその状況を整理するところからスタートします。
鈴木「システムサーバーの確認をしたら、前任者が丁寧に設計していたため属人性が高く、手をつけづらい状態で……。後々に入社する人もサーバーの設計や構築をするだろうから、複数のエンジニアでできるような仕組みづくりを集中的にしていきました」
鈴木はその後も、当社のサービスを改善するシステム作りに携わります。それはシュフティが毎週ユーザーに送る、案件のお知らせメールにおける改善。このメールが全員に届くまでに、以前は8時間近くもかかっていたのですが……。
鈴木「メールが深夜に届いてしまう人もいるなど、送信時間にバラツキが出ていました。仕事は早いもの勝ちなので、先に内容を確認できた人の方が有利になる。その不公平さをなくすため、仕組みを変える必要があったんです」
メールを受信する時間が遅ければ遅いほど、それに比例してページビュー(閲覧数)も下がっていきます。そのため、時間短縮は意識しなければいけませんでした。
鈴木はメールサーバーの専用ソフトを導入し、サーバーを構築し直しました。そのおかげで、最終的には1〜2時間ですべてのユーザーにメールを送信できるまでに改善したのでした。
シュフティのメインユーザーは主婦の方です。子育てや家事に時間を取られるユーザーにとって、スムーズに情報を届けるための改善はとても重要な施策でした。
石毛や鈴木をはじめとした開発チームのメンバーは、常にユーザーにとって最良な体験を届けるため、考え、悩み、模索しながらプロダクト開発を行っています。
自分たちが体験してユーザー目線を高めていく
開発課では、目標としているアクセス数を朝礼で共有しています。石毛が入社したときから、その習慣は浸透していました。
石毛「エンジニアも数字を意識して働いていきましょう、ということですね。前職では受託でシステムを作っていたので、納品するまでが仕事。でも当社は自社開発をしているので、作った後の効果が重要なんです」
2015年〜2016年にかけて、仕事を頼む側のクライアント数が爆発的に増えていきました。これは外部のサービスと連携して、シュフティに掲載する案件を増やすという取り組みが行われたためでした。
しかしその反面、ジレンマもありました。クライアントの増加数に対して、ワーカーの数が追いつかず、期待していたマッチング(成約)率には、まだ及んでいなかったのです。その状況に甘んじてしまっては、うるるのビジョンである「人のチカラで 世界を便利に」は実現されません。
石毛「マッチング率を上げるため、今後は、ユーザーさんがもっとアクティブに使ってもらえるようなサイトを作成していく必要があります。今まではあまりUX(サービスを使った時に得られる満足など)に時間をかけれていなかったので、改善をしていきたいと思っているところです」
これまでは、データ入力やライティングなど、在宅での案件が多かったシュフティ。しかし現在は、外出して物件を撮影したり近所にある飲食店のレビューを投稿したりするという、「外出ワーク」も増えてきています。
さまざまな案件を扱うようになり、開発課は「自分たちにとっても死ぬほど使いやすいサービスにしよう」というポリシーを掲げ、使う立場になった視点をもっと取り入れていこうと考えています。
萩原「ここが僕らの職場であるように、シュフティがユーザーさんにとっては仕事場になります。そのとき、どのようにこのサービスを使っているのか。想像するだけではなく、私たちが体験してユーザー視点を高めることが、今後は大事になってきますね」
仕事の量に加えて開発課のシステム改善への尽力もあり、シュフティは2017年1月時点で、ユーザー数が30万人を突破しました。
鈴木「システムの異常に早く気づけて、少しずつ運営の手助けができるようになってきました。うるるは、社員一人ひとりの意見を受け入れてくれる会社。メンバー同士でお互い愛のある悪口を言いながら(笑)、今後も利用しやすいサービスを届けたいですね」
石毛が以前エンジニアの先輩からもらったとある言葉があります。
石毛「あるエンジニアの先輩からこの言葉をもらい、リーダーとして絶対に頑張ろうと思いました。それは、『うるるの開発課が改善していくということは、プロダクトの改善になり、ひいては、多くのユーザーに更なる価値を提供し、聞こえないけど、ありがとうを受け取ることができるわけで。 この改善活動のおかげで、また新しくどこか地方の主婦の方が仕事を受注して、こどものおもちゃ代とかを得て、小さい笑顔をうむのかもしれません。
一つ一つは小さくても、人の幸せに貢献するのかもしれない。 それこそ、生産だと思うのですよね。幸せの生産。 自分たちのためでもあり、人々のために僕らは働くことができて、それはとてもすごいことですよ。何十万人の生活にリーチできるのだから。 だから、目の前の些細なことは気にせずに、大局を見て、自分の信じる道を進むが、充実した人生だと思います。』という言葉です。この言葉に救われました」
開発課は少人数体制ながらも、全員がサービスへの当事者意識をもち、すべてのサービスを滞りなく運営しています。
クラウドワーカーが当たり前の仕事として、より一層世の中に浸透するためにーー。
当社の開発課は、うるるの“縁の下の力持ち”としてこれからも奮闘していきます。
Text by PRTable