OPEN FACTBOOK
2024/10/29

業界研究⑥情報通信・情報産業業界の人手不足を考察します!~「オープンファクトブック#13」

みなさん、こんにちは。うるる取締役 ブランド戦略部長の小林です。

私たちは「労働力不足解決のリーディングカンパニー」として、日本が抱える深刻な社会問題である労働力不足問題と日々向き合っています。その活動の一環として、当問題の実態や私たちの生活への影響について多くの方に知ってほしいと願い、「オープンファクトブック」を実施しています。
ここでは労働力不足にまつわる実態、課題、展望などを解説していきます。

日本商工会議所・東京商工会議所が2023年9月に公表した『人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査』の結果をもとに、人手不足の深刻度の高い業界を掘り下げる本シリーズ。

6回目は、私たちうるるも属する「情報通信・情報サービス業」(以下、IT業界)の労働力不足を取り上げます。また、後半では「IT業界の人手不足」をテーマに、支出管理プラットフォーム『TOKIUM(トキウム)』を提供する、株式会社TOKIUM代表取締役 黒﨑 賢一氏に語っていただいた内容をお届けします。


出典:日本商工会議所・東京商工会議所(2023年9月28日)「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」調査結果 P.7 
https://www.jcci.or.jp/20230928_diversity_release.pdf

IT業界を取り巻く現状

経済産業省が平成 28(2016) 年6 月に公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、日本のIT人材は2019年をピークに減少が始まり、2030年には最大で約79万人が不足する可能性を示しています(※1)。

他方、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開する「DX白書2023」によると、日本における情報処理・通信に携わる人材は、2020年国勢調査ベースで、125万人超を数え、そのうちIT企業所属は73.6%、非IT企業所属は26.4%となっています(※2)。

つまりは、IT人材不足は全産業が直面する課題であり、とりわけ多くのIT人材を抱えるIT業界は、その深刻度が高いといえそうです。実際、IT企業の人材不足は統計にも表れています。一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)が公表する「JISA-DI調査」最新版(令和6年6月期)」(※3)では、従業者の不足感は65.5%(「不足」67.2%と「過剰」1.7%の差)という雇用判断が出ています。

下記グラフのとおり、「不足」幅は縮小していますが、依然として人手不足は高い水準で推移していることが分かります。

出典:JISA将来見通し・雇用判断DI調査(令和6年6月期)
https://www.jisa.or.jp/Portals/0/resource/statistics/jisa-di202406.pdf

もう一つ、他の視点からもご紹介しておきます。
転職サービス『duda』が発表している「転職求人倍率レポート(2024年7月)」によると、転職求人倍率は「全体」で2.74倍ですが、「IT・通信」は7.16倍です。そして、「エンジニア(IT・通信)」という職種で見た場合は11.93倍であり、どの職種よりも突出しています。(※4)

この転職求人倍率を2019年以降、四半期ごとに並べたのが下記のグラフです。倍率は右肩上がりで推移しており、IT企業の人手不足、なかでもエンジニア不足は年々増しているといえそうです。

人手不足をもたらす課題と国の対策

IT人材が不足する理由として挙げられているのが、業務のIT化、DX化による「ITニーズの拡大」「日本の労働人口の減少」です。また、近年は三つ目の理由として「技術の急速な進歩」もいわれており、AI やビッグデータ、IoT 等、第4次産業革命に対応できる” 先端 IT 人材”の不足が不安視されています。

IT 人材の需給ギャップの緩和を図るべく国は、「IT 人材の生産性向上」「IT 人材の供給増」、労働環境の改善、多様性の確保、仕事の魅力付け等による「IT人材の非IT化の低減」(※5)のほか、「50代以上のシニア層・女性IT人材のいっそうの活躍」「外国籍IT人材の獲得や活用」「IT人材の流動性向上」「個人のスキルアップ支援の強化」(※6)、さらには、“ 先端 IT 人材”創出に向けた「IT人材のリスキリング」(※5)等を挙げており、各省庁主導で種々取組を行っています。

1. 教育プログラムの提供
IT人材の創出やスキルアップを目的に、たとえば下記のような教育プログラムを提供しています。

・経済産業省「第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)」
IT・データを中心とした将来の成長が強く見込まれ、雇用創出に貢献する分野において、社会人が高度な専門性を身に付けてキャリアアップを図れる教育訓練講座。内容は、メタバース、データサイエンス、サイバーセキュリティなど、将来性・専門性の高い先進技術分野に特化。(※7)

・経済産業省「マナビDX(デラックス)」
デジタルに関する知識・スキルを身につけることができる講座を紹介するポータルサイトとして、700近くの講座を網羅。講座を提供する事業者には、アップルやグーグル、セールスフォース・ジャパン、IIJなど世界的企業が名を連ねる。無料の講座、「教育訓練給付金」対象の有料講座も豊富。(※8)

・厚生労働省「開発した教育訓練プログラム」
キャリアアップやキャリアチェンジを目指す人を対象に、イノベーションにまつわる教育訓練プログラムを無料提供。(※9)

2.IT 人材の供給増に向けた教育
国の方策にある「IT 人材の供給増」とは具体的に、「新卒人材の供給力の強化」であり、「学生の時期に IT に関する能力を高める教育機会を増やすことで、IT 人材として活躍する新卒者の割合を高めていくことは可能」としています(※5)。
その一環として、文部科学省は3000億円の予算を設け、大学や高等専門学校に対し、デジタル等の成長分野をけん引する高度専門人材育成の支援に乗り出しています(※10)。

この布石として2020年以降、小学校でのプログラミング体験、中学校でのプログラミング教育が行われているほか、高校ではプログラミングを学ぶ「情報Ⅰ」が必修教科に、大学入学共通テストにおいても、2025年度から「情報」が受験科目に加わることになっています。こうした裾野を広げる活動にも力を入れることで将来の人材不足の緩和や解決、さらには質的向上を期待しています。

3.事業者への助成金支給
厚生労働省は「人材開発支援助成金」制度を設けており、職務に関連した専門知識や技能習得のための職業訓練を行う企業に対し、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成しています。
この要件の一つに、「デジタル人材の育成」があり、新事業への進出、新商品開発やデジタル化などを応援する「事業展開等リスキリング支援コース」、高度デジタル人材の育成を目的とした「人への投資促進コース」を選択した場合に助成しています。(※11)

人手不足を埋めるために 民間事業者の取り組み

IT人材を確保するため、民間事業者もさまざまな対策を講じています。
ここではその実例を紹介します。

・高卒人材の積極採用。IT人材を自社で育てる
組織コミュニケーションサービスを提供する株式会社Phone Appliは、2020年より山口県萩市にサテライトオフィスを設け、地元の高校を卒業した若者を採用のうえ、アプリケーション開発エンジニアとして育成しています。
2015年の国勢調査では、国内のIT技術者数の約6割が東京圏に集中している(※12)ことが分かっており、都心での人材確保の難化、地域のデジタル化を推進するIT人材の不足が課題になっています。

同社はコーポレートサイトにて、「東京をはじめとする大都市圏の人材獲得競争が更に激しさを増す中、私たちが目指したのは、より安定した人材の確保と、入社してくれた社員が成長し継続的にパフォーマンスを発揮してくれることです。」と、メッセージを発信しており、IT人材を「採用」するだけでなく、イチから「育成」することにも力を注いでいます。また、萩市に対しても住民サービスに根差したアプリの開発を通し、自治体業務のデジタル化に貢献しています。(※13)

・個々のライフスタイルに応じた多様な働き方を実現
日本最大級のポータルサイト『Yahoo! JAPAN』を運営するLINEヤフー株式会社では、国内であればどこでも居住を可能とする場所に縛られない働き方が認められています。(※14) 
フリマアプリ『メルカリ』を提供する、株式会社メルカリもまた同様の制度を設けているのに加え、1日の労働時間を増やし週休3日を可能にするなど、柔軟で多様な働き方のできる環境を整えています。(※15)また、同社は外国人IT人材の採用にも積極的であり、エンジニア組織における外国籍社員比率は53.8%と高い割合を誇っています。(※16)

・業務効率化のためのITツールの導入は大前提
生産性向上、業務効率化に資するプロダクトを続々と生み出すIT業界において、ITツールの活用による省人化、従業員の負担軽減、時間的コストの削減は当然のことです。これによって従業員はヒトにしかできない創造的な業務、高度な業務にいっそう時間を割けるようになり、それらを成長力の源泉としています。

企業によって業種や業態が異なるため、すべてをトレースする難しさはありますが、たとえば、どの企業も共通して抱えるバックオフィス業務はクラウドサービスと相性が良く、さまざまなプロダクトが多くの企業に広く導入されています。ここではその一例を紹介します。

・会計関連
支出管理プラットフォーム『TOKIUM』(https://www.keihi.com/
クラウド会計ソフト『マネーフォワード クラウド』 (https://biz.moneyforward.com/

・人事労務関連
クラウド人事労務ソフト『SmartHR』(https://smarthr.jp/
タレントマネジメントシステム『カオナビ』(https://www.kaonavi.jp/

・法務関連
電子契約サービス『クラウドサイン』(https://www.cloudsign.jp/
電子署名&契約管理システム『ドキュサイン』(https://www.docusign.com/ja-jp

・その他
電話代行サービス『fondesk』(https://www.fondesk.jp/
クラウド郵便サービス『atena』(https://atena.life/

IT業界のリアルボイス~当事者は人手不足をどう考察しているのか

オープンファクトブック後半は、支出管理プラットフォーム『TOKIUM(トキウム)』を提供する、株式会社TOKIUMhttps://corp.tokium.jp/  代表取締役 黒﨑 賢一氏へのインタビューをお届けします。
「IT業界の人手不足」をテーマに、黒﨑氏から見たIT業界の現状と課題、自社の取り組み、業界展望まで広く語っていただきました。

<PROFILE>
黒﨑 賢一 (くろさき けんいち)
株式会社TOKIUM 代表取締役
1991年生まれ。筑波大学在学中に家計簿アプリ「Dr.Wallet」の開発を始め、在学中の2012年に「TOKIUM」の前身となるBearTailを共同創業。のちに社名を「TOKIUM」に変更。現在に至る。

“車輪の再開発”がIT人材不足を加速させている

――まずは、御社の事業について聞かせてください。

創業当初はBtoC向けの家計簿アプリを提供していましたが、そこで培ったノウハウを活用し、法人向けBtoBサービスの提供へと事業転換を行いました。以降は社名の由来にもなっている「未来へつながる時を生む」という志のもと、経費精算や請求書などの企業の支出にまつわる活動を一元管理し、支出領域の課題解決を実現するクラウドサービスを一貫して提供しています。

主なサービスとして、経費精算クラウド「TOKIUM経費精算」「TOKIUMインボイス」、文書管理クラウド「TOKIUM電子帳簿保存」、契約管理クラウド「TOKIUM契約管理」があります。2024年7月末現在、上場企業250社を含む2500社で導入をいただいています。

――オープンファクトブックをお読みになっていかがでしたか。

IT人材の育成に国や事業者が積極的に取り組んでいることが改めて伝わってきました。その中で私が感じたのは、新しいプロダクトを開発するだけでなく、既存の技術や製品を効果的に活用することも一つの解決策ではないかということです。

これにより、IT企業が個別に新たな開発に取り組む必要性が減り、結果として必要とするIT人材の数も調整できるかもしれません。そうすることで、必要のない開発を抑えて、必要な開発に投資できるようになるのではないかと思います。

――多くのIT企業がそれぞれのプロダクトを提供している状況について、どのようにお感じですか。

そうですね。私たちが取り組んでいる支出管理の領域でも、40社以上の企業が参入しています。また、日本ではERP(エンタープライズ・リソース・プランニング:経営効率を高めるためのシステム)の導入や、Slerに依頼して独自のシステムを開発する動きが長年続いています。

その結果、オーダーメイドのシステムに多くのメンテナンスコストがかかっているという現状があります。これらのシステムをメンテナンスがより簡単なものにしたり、オンプレミスからクラウドへ移行するなど、独自開発の部分を最小限にして、他社製品を有効に活用することが解決策の一つだと考えています。また、エンジニアにとっても、特定の企業だけで通用する技術ではなく、より広く使える技術を身につけることができるので、メリットが大きいのではないでしょうか。

――これが実現すれば、人的リソースに空きが生まれ、エンジニアも良いインプットとアウトプットを行えるようになり、IT企業の人材不足は解決に近づくのでは、という発想ですね。オープンファクトブックにはない新しい視点です。

「採用」から「育成」に視点を変えて人材を確保

――改めて、IT企業の人手不足を感じることはありますか?

拡大フェーズの企業では、営業部門やマーケティング部門の増員が優先され、経理や人事などのバックオフィスの強化は後回しになることが多いように思います。その結果、事業が拡大するにつれて、バックオフィスの業務負荷が増加する構造がよく見受けられるのではないかと考えています。

また、安定成長を続けている企業においても、欠員が出た際に、既存の社員へ一気に業務負荷がかかる場面が発生しているという声をよく耳にします。

――今のお話から、企業の状況ごとに課題があることに気付かされます。そのうえで、御社が人手不足を解決するために行っている取組について聞かせてください。

まず、採用においては、経験や年齢、性別に関係なく、当社の価値観にマッチする方を迎え入れるという方針を取っています。業務スキルは入社後に身につけてもらえば良いと考えています。価値観のマッチングの要素は大きく二つあります。

一つ目は「仲間を思いやる心」です。
仲間思いの人々が集まることで、「仲間のために頑張ろう」「チームでお客様の課題を解決しよう」という前向きな気持ちが生まれ、良い職場環境が維持されます。

二つ目は「学び続ける力」です。
TOKIUMでは、ITの知識だけでなく、経理や会計に関する法令知識も常にアップデートし、それをプロダクトに反映し続ける必要があります。時には、これまでの学びをリセットして新たに学び直すことも求められるかもしれません。しかし、これを前向きに受け入れる姿勢があれば、新しい取り組みを始める際に、社内に経験者がいなくても、信じてその役割を任せることができます。

――仲間思いの環境が気持ちよく長く働こうというマインドを生み、学ぶ力が強ければ経験者を迎え入れなくても、その役割を社内で充足できる、という考え方ですね。

そうですね。僕たちは「長期で担当者が変わらない」「長く携わるからこそ難しい課題が解決できる」、そんな組織を目指しているので、離職率を低く抑えられることは顧客の価値にもつながると考えています。

――エンジニアの採用に関してはいかがでしょうか。

2023年より、新卒未経験者をエンジニアとして迎え、専門的なトレーニングを行うことで、半年から1年後にはアプリケーション開発に従事できるようになるプログラムを開始しました。これまで、エンジニア候補者は情報系学部出身者や開発経験者に限られる傾向がありましたが、意欲と潜在能力のある方を迎え入れ、育成していくという方針に転換しました。

この仕組みを導入したことで、採用のしやすさが大きく向上しています。


――IT人材を「採用する」から「育成する」の視点で取り組んでいるのですね。このほか社員の皆さんが長く働こうと思えるような働きかけはされていますか。

4年前から全社員が参加する『バリューワークショップ』を四半期ごとに開催し、会社の志やバリューに触れられる機会をつくっています。ここではグループディスカッションを通して立場や状況の違いからくる意見の多様さを知るなか、会社という「人格」を形成する一人ひとりの意識を共有することを目指しています。こうして見出された価値観が、「この人はTOKIUMに合いそうだ」といった形でリファラル採用に繋がるケースも生まれています。

あらゆる業務にITツールを活用

――もう一つお聞きしたいのが、IT業界ならではのITツールの使い方です。人手不足の防止や解決のために、どのように選定し、また使っているのでしょうか。

まずは、商談管理、メール配信、チャット応接、そして契約書まわりなど、あらゆる業務にSaaSを使っています。何を導入しているのか管理するためのSaaSもあるくらいです。一つ特徴的なのは、導入したツールの入れ替えを恐れず行うことです。

たとえば、会議ツールも、いまでは大きなプラットフォームが数あるプロダクト群の一つの機能として提供しています。ここのライセンスを持っていれば、その機能も使えるので、類似サービスは契約解除してもいいね、のように取捨選択しています。もちろん品質で判断することもあります。

その一方、業務と直接的に関係しないツールもあります。たとえば、社員に「ありがとう」を送れるサービスは、カルチャーを強化する意味合いで利用しています。以前は、手紙にしたためて手渡ししていたのですが、社員が増えたこと、手紙の内容を誰もが見える状態にするほうがエンゲージも高まるんじゃないか、という声もあって導入を決めました。

――ITツールは生産性の面から社員の負荷を軽くするだけでなく、企業文化醸成の面から帰属意識を高め、強固な組織をつくることにも役立てられることは、大きなヒントになると感じます。そして、TOKIUMもまた人手不足解決の一助になるサービスです。プロダクトにかける思いを聞かせてください。

社名のTOKIUMには、『未来へつながる時を生む』という、私たちの志を託しています。未来へつながる時とは、誰かのために調べて考えて挑戦する時間のことだと思っています。その時間を増やすことは、労働力不足を解決する未来にもつながっていると思っています。

――IT業界の人手不足解決に向け、国や業界はどのような取組を講じていくとよいと考えていますか。

冒頭でもお話しした通り、限られたエンジニアリソースや教育資源を効率的に活用するために、共通のサービスやシステムを多くの企業で共有できる仕組みが理想だと考えています。これにより、個々の企業が重複してリソースを割くことなく、全体としての効率性が高まると期待しています。

また、適切なパートナーシップや連携を通じて、各社が自分たちの強みを活かしつつ成長できる環境が作られることを目指していくとよりよい解決策が生まれるのではないでしょうか。

――ここまでありがとうございました。最後に抱負をお願いします。

長期的に取り組む姿勢を持っていることが僕たちの良さであり、お客様からの信頼を得られてきた部分だと思っています。これからもお客様に代わってチャレンジと失敗を繰り返しながら、ベストプラクティスをいち早く見つけることを僕たちの役割と認識し、お客様から選ばれるプロダクトとしてますます成長していきたいです。

終わりに

IT業界における人材不足は深刻になりつつあり、足元を見ても多くのIT企業が課題を抱えていることが分かりました。ただ、こうした厳しい環境に負けない持続可能な組織づくりに向け、さまざまな企業が独自の採用戦略や制度設計、ITツールの導入などの対策に講じています。

そのなかで、黒﨑氏の「プロダクト数を適正にできれば、必要とされるIT人材の数は減らせる」という発想は大胆ながらも、本質をとらえた納得度の高い解決策の一つになる、と感じさせられました。

また、世界はいまインターネットでつながり、どこでも、誰とでも働ける世の中をつくりだしています。それならば、世界中のIT人材が「自分も開発に携わりたい」と熱望するような日本発のプロダクトを生み出し、日本のIT企業の魅力づくりをしていくこともまた、IT企業にできる解決策のように思います。

まとめ

・国は2030年には最大で約 79 万人のIT人材が不足する可能性を示しており、とりわけ多くのIT人材を抱えるIT業界は、その深刻度が高いといえそうだ。

・実際、IT企業の人材不足は、業界の統計や民間事業者の調査にも表れている。

・IT人材が不足する理由として、「ITニーズの拡大」「日本の労働人口の減少」そして、「技術の急速な進歩」が挙げられる。

・IT 人材の需給ギャップの緩和を図るべく国はさまざまな解決策を挙げつつ、対策も講じている。

・企業もまた独自の採用育成戦略や制度拡充、ITツール活用等によって、人材確保に努めている

■参考・出典
※1 経済産業省「 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~ 報告書概要版 ~」P.7
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s02_00.pdf

※2 独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2023」P.201
https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/gmcbt8000000botk-att/000108041.pdf

※3  JISA将来見通し・雇用判断DI調査(令和6年6月期)
https://www.jisa.or.jp/Portals/0/resource/statistics/jisa-di202406.pdf

※4 【転職求人倍率】転職求人倍率は+0.14ptの2.74倍。求人数が増加し、転職希望者数は減少したため、転職求人倍率は上昇。 |転職ならdoda(デューダ)
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/

※5 経済産業省「- IT 人材需給に関する調査 -(2019年3月)」P.45-47,52
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

※6 経済産業省「 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~ 報告書概要版 ~」P24-25,29-30
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s02_00.pdf

※7 第四次産業革命スキル習得講座認定制度(METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/reskillprograms/index.html

※8 マナビDX – マナビDXはすべての人に学びの場を提供します
https://manabi-dx.ipa.go.jp/

※9 教育訓練プログラム開発事業|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/program_development.html

※10 大学・高専機能強化支援事業(成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金)
https://www.mext.go.jp/content/20230721-mxt_senmon01-74.pdf

※11 人材開発支援助成金|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html#1002

※12 内閣官房「デジタル人材の育成・確保に向けて(令和4年2月4日)」P.1
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai3/siryou7.pdf

※13  CaMP HAGI(山口・萩)|株式会社PHONE APPLI
https://phoneappli.net/corp/company/office/hagi/

※14 働く環境|LINEヤフー株式会社
https://www.lycorp.co.jp/ja/recruit/workplace/

※15  YOUR CHOICE | 株式会社メルカリ – 採用情報
https://careers.mercari.com/your-choice/

※16 Inclusion & Diversity | 株式会社メルカリ – 採用情報
https://careers.mercari.com/diversity/

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