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2024/06/25

『GoSTEP』の責任者が語る、成功する新規事業に欠かせない思考と実践【2023年度Govtech/NJSS事業年間MVP受賞者インタビュー】

2024年5月に開催した『ULURU Ayers Rock Festival Special Edition ~ 感謝祭~』では、事業部ごとの年間MVPが発表されました。Govtech/NJSS事業部から選出されたのは、入社以来、NJSS畑を歩む柴山拓也(しばやま・たくや)さん。2013年に続き、2回目の受賞です。

「Govtech領域で新規事業を開発してほしい」。2022年、このミッションを託された柴山さんは、NJSS事業部のあらゆる業務に携わってきた経験とノウハウを活かし、2023年、民間企業向けに官公庁ビジネスの上流工程を支援するデータプラットフォーム「GoSTEP」をローンチ。そのプロセスと実績が高く評価されました。

柴山さんが新規事業を成功裡に導くまでの思考と実践は、今日からのビジネスに活かせる示唆に富んでいます。何を考え、どう挑んだのか。その過程を余すことなく語ってもらいました。

▼柴山拓也プロフィール

2010年、キャリア入社。Govtech/NJSS事業本部事業開発部入札業務支援課GoSTEPチーム所属。2022年10月よりGovtech領域における事業開発を担当。2023年3月、自らが開発した官公庁ビジネスの上流工程を支援するデータプラットフォーム「GoSTEP」がローンチ。現在、責任者として活躍中。

趣味:散歩
通ったことのない道、どこに続くのか分からない道を楽しんで進むタイプです。

特技:直感を大切にして現実に活かすこと

座右の銘:『面白きこともなき世をおもしろく』 
「辛い時」も「普通に見える物事」も、そのなかに面白みや学びを見つけるようにしています。物事は考え方次第です。

<受賞理由>

全くのゼロベースからGoSTEPを立ち上げ、今後のGovtech事業の成長に大きな貢献が見込めるまでに、サービスを成長させました。またGoSTEPの専属メンバーが2名しかいない中でサービス責任者として、サービス設計・収集ルール設計・ワーカー管理・営業・POなど多岐にわたる職務を1人でこなし、大きな成果を出し続けたことが評価されました。

NJSSがお手本 構想をカタチに

このミッションをもらったときから、新サービスはNJSSと同じ、SaaSのサブスクリプションモデルにしたいと考えていました。NJSSの持続的な成長を間近でずっと見てきた経験から、ストック型ビジネスの力強さを知っていたことが大きな理由です。新規事業の立ち上げ経験もなく、人も予算も限られていましたが、幸いにもNJSSという良い”お手本”と、そこでの経験がありました。

そのノウハウと経験を成功だけでなく失敗も含め、十二分に活かそうと思いました。開発にあたっては、NJSSと提供価値が被らないようにしつつ、相乗効果が生まれるよう設計しました。

こだわった点はいくつかありますが、一つは自分の立てた仮説のリアリティをしっかりと検証することでした。そのために、NJSSのお客様やチームメイトへのインタビューを通し、仮説に対するニーズの確認や、空想ではない地に足の着いたものにするポイントは何かのヒアリングを、徹底的に行いました。

また、アイデアが固まりつつある段階で、官公庁ビジネスの展示会に足を運び、敢えて面識のない方々にお願いして率直で忌憚ない意見をいただき、多様な視点での調査にも取り組みました。

新規事業の仮説はとても抽象的なので、検討する角度を変えたり、視点を増やすことで、自分だけでなく他の人にもイメージが湧くリアリティのあるものにしたかったからです。このようにアイディアを手応えのあるカタチにしていくプロセスは、良い経験になりました。

新規事業の成功を生み出した三つの視点

新規事業に取り組むにあたり、普段から心がけている三つのことがとても活きたように感じています。

一つ目は、「熟考と行動のバランス」です。

行動のスピードが大切なのは大前提です。ただし、考察ゼロや思考停止で動いても良い結果にはつながりません。結局はそのバランスが重要ということなのですが、実行の影響範囲とリスクを考えて「段取り八分」か「迅速果敢」かをしっかり判断するように心がけています。

また、熟考から行動へは「決断」というポイントを間に挟みますが、それを感情的な側面だけではなく、「こう考えたから、こうした」のように一つのスキルとして捉えることで、再現性が生まれたり、決定の質を上げたりすることにつながると考えています。

二つ目は、「与えられた資源からのアウトプットを、最大化する」ことです。

戦略的でありたいと思っていて、人や時間、お金を一つのファンクションではなく有機的に活用することを意識しています。具体的には、アクションのひとつひとつが、①補完しあっているか、②相乗効果があるか、③重複していないか、④体系的になっているか――ということを考えています。

それと仕事は「引き算」も大切だと考えています。基本やりたいことばかりなので、しないことを決めるのが大切です。選択肢の中から、最も大きなインパクトを出せるものを考えたり、今時点で短期と長期のどちらの成果を追うかなど、目的の達成のために、今何に集中するべきかを大事に考えています。

三つ目は、一つひとつの仕事を「課題解決」という文脈に置き換えることです。

仕事の種類や規模に関係なく、何かしらの課題を解決することで対価を得られるのが仕事の本質だと思います。企業はより大きく社会課題の解決に取り組んでいますし、個人の小さく見える仕事も必ず何かの課題解決に繋がっているはずです。

そう考えると、目前の仕事をなぜやるのか、やると誰がどうなるのかを意識するようになるので、そういった文脈で取り組むよう心がけています。今回の新規事業への挑戦も、顧客の課題を設定し、その解決をどう創っていくのかということだと考えています。

仲間を巻き込む力が、成功の喜びを増幅させる

新規事業という未開拓の領域を手探りから始め、大変なことも乗り越えてきたので、MVP受賞によって、結果を認めてもらえたことは嬉しかったですね。加えて、「おめでとう」と言ってくれるありがたい人たちの存在にも気づくことができましたし、一緒に成功を目指す仲間と結果を出せたことは、それにも増す喜びがありました。

ここまで二人三脚でプロジェクトを進めてきたエンジニアのメンバーと私は、年齢も職域も考え方もまったく違うものの、「GoSTEPを成功させる」という目的を常に共有していました。この前提があったから考えや意見の違いもプラスに働き、より建設的に進めてこられたと思っています。さらには、組織の垣根をこえて自発的に協力してくれる人にもたくさん恵まれました。おかげで、みんなで取り組むことの醍醐味を再認識できましたし、プロダクトの成功を目指す原動力にもなりました。

この経験から、新規事業では「あそこで面白いことをやっているから、手伝おうぜ」「あいつが頑張っているから手伝うか」のようなムーブメントを起こしていくことが肝になると感じています。社内で応援されるぐらいの熱量を持つことができれば、プロダクトも成功に限りなく近づける。そのようなスパイラルをつくることが一番の理想です。この次はさらに広い範囲に影響を与えられる存在になりたいですね。

うるるを「官公庁ビジネスのNo.1パートナー」に

GoSTEPは、NJSSだけでは足りない情報を埋めようと意識して開発しました。入札に参加する手前の情報を入手したいと考えるお客さまの課題解決に近づけますし、NJSSと一緒にお薦めするサービスとしてもちょうどよいものです。これは官公庁ビジネスをしっかり押さえている、うるるの強みを強化することでもあり、NJSSの掲げる「入札に関わる困ったをゼロにする」というビジョンとも結びつきます。結果として、会社のやりたいこと、お客さまの困っていること、自分たちの強みの三つが重なるところに、うまく落とし込めることができました。

GoSTEPの順調な滑り出しを弾みに、この先は「官公庁ビジネスのことなら、うるるに頼めば解決できる」という図式をつくっていきたいです。すべてのソリューションを網羅してもらうのもよし、GoSTEPだけ、NJSSだけで目的に適うのならそれもよし、お客さまの必要に応じて便利に活用していただきつつ、新しいソリューションにも期待を寄せていただける存在になれたら。そんな未来を目指し、進んでいきたいです。

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