ユーザー体験に徹底的にこだわる。正解のない課題に立ち向かう葛藤の日々。

ー前期の事業部MVPに続き、今期「ベンチャースピリット賞」を受賞

 

うるるが掲げる5つのスピリット。その一つが「ベンチャースピリットを持ち、成長し続ける」ことです。その「ベンチャースピリット」をもっとも体現した人に、2020年度の「ベンチャースピリット賞」が贈られました。

 

常にユーザー視点に立ち、プロダクト全体のバランスを考えながらも、ときに大胆にシステム変更を実施したり、オペレーターが受電しやすい仕組みをつくったりなど、事業成長を牽引しています。常にチャレンジングで在り続ける姿勢はベンチャースピリットそのものだと思います。 

 

fondesk事業部プロダクト開発課長を務める國本保廣さんは、2019年度のfondesk事業部MVPも受賞しており、2期連続での受賞は初めてのこと。ユーザー体験にこだわり続け、チャレンジし続ける國本さんの姿勢について話を聞きました。

 

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<國本保廣さんプロフィール>
2016年4月1日うるるに入社。大阪府出身。現在はfondesk事業部プロダクト開発課長としてプロダクト開発全体を管轄。趣味はアニメやゲームで、他にも同じようにゲームを趣味にしているfondesk事業部メンバーが多く、一緒にプレイすることも。とにかくインターネットが好きで、自分用のニュース収集用アプリを開発し、1日1時間以上かけてさまざまなジャンルの情報収集を行っている。座右の銘は「神は細部に宿る」。

 

ーfondesk事業の中で「ソフトウェア」が果たす重要性

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今期「ベンチャースピリット賞」をいただき、大変ありがたいです。


すでに前期fondesk事業部MVPもいただいていて、いろいろと評価していただいている認識だったので、また連続でもらってしまってすみませんという気持ちもあったのですが(笑)、私個人というよりfondesk事業部事業自体が軌道に乗ってうまく成長できていることに対する賞だと思います。

 

fondeskは電話代行のWebサービスです。お客様である企業にかかってくる電話をfondeskに転送していただくと、裏側にいる在宅のオペレーターが代わりに電話対応を行い、お客様が使っているSlackやChatworkなどの各種連絡ツールに内容を通知する仕組みです。


私はfondesk事業部でプロダクト開発課の課長を務めており、自分でコードを書いたり、メンバーのマネジメントをしたりと、幅広い業務を担当しています。

 

fondeskはうるるの他のサービスと比較しても特にソフトウェアの重要性が高いサービスです。なぜかというと、サインアップから利用開始まですべてがセルフサーブで、基本的にfondeskのスタッフや営業とやり取りをすることがないサービスだからです。

 

もちろんオペレーションを担当しているスタッフや、マーケティングを行っている部隊がいて、彼らがいないとこの事業は成り立ちません。


ソフトウェアを用意しただけでお客様が集まるわけではないのですが、セールス・契約・利用・カスタマーサクセスのところに至るまで、すべてソフトウェアで対応できるよう自動化されています。

 

その意味で、今回「ベンチャースピリット賞」の授賞理由に挙げられていた、「常にユーザー視点に立つ」ことは非常に重要です。

 

私自身ここ2〜3年は四六時中fondeskのことを考えていて、ユーザーにとってこの機能はどうなんだろう、この使い方はユーザーがどう感じるんだろうということを問い続けています。


あわせて「プロダクト全体のバランス」も大切にしていて、この機能はユーザーにとってこう感じられるだろうし、一方で別のユーザーはこう感じるだろうというような、多様なユーザーを思い浮かべるようにしています。

 

すべてのユーザーにとって最適なプロダクトをつくることは、なかなか難しいことです。

 

例えば今のfondeskは「すごくシンプルで使いやすい」という声をお客様からよくいただきます。


一方で、「こんな機能を追加して欲しい」という要望もたくさんいただきます。

 

確かにそのお客様にとっては必要な機能なのですが、全部を盛り込んでいくとfondeskのシンプルさは損なわれ、その機能が必要ない他のお客様にとってのユーザー体験は悪化してしまう可能性があります。


一部のお客様がどうしてもこの機能が欲しいとおっしゃるところに、あえて応じないという意思決定が必要な場合もあるので、バランスがすごく難しいんですよね。

 

ー「シンプルでいること」を目標として掲げる葛藤

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fondesk事業部は行動指針として「シンプルにしよう」「身軽でいよう」ということを掲げています。

 

やっぱりお客様の要望を目の前にすると、応えてあげたいって思ってしまうんですよね。


しかし「シンプルでいること」を常に思い出すようにしないと、ユーザー体験全体を考えた最適な解を導き出すことができません。

 

シンプルでいることや優れたユーザー体験とはなにかというのは、線引きが難しい問題です。そこには明確な基準もないので、毎日チームで議論を重ねながら答えを探しています。


時にはメンバー間で議論がヒートアップしてしまうこともあります。意見が対立して大変なこともありますが、そういった議論ができる環境というのは健全だと感じますね。

 

例えば、fondeskには「応答カード」という機能があります。これはお客様が設定した「応答カード」の内容に基づいて、オペレーターが電話対応の中で必要最低限のことを答えられるようにするために用意されました。

 

一方で、fondeskで大事にしている基本方針として「カスタム対応をしない」というものがあります。サービス内容をシンプルにすることで数千というお客様の電話対応を代行することを可能にしているという性質上、「これを聞かれたらこう答えて欲しい」という要望に無限に答えることは難しいのです。

 

加えて、オペレーターは電話応対を開始したタイミングで初めてこの「応答カード」を目にするので、内容が多すぎるとすぐに把握することができず、うまく対応することができなくなってしまいます。


この「応答カード」の種類や枚数をいかに絞れるかというところは、オペレーターが安定的に対応できるクオリティを保つためにも重要です。

 

いまは「応答カードは3枚まで」という形で、登録できる内容も限定しているのですが、お客様からは「こういうことも答えて欲しい」「こういうタイプも追加して欲しい」というお声は際限なくいただくので、「応答カード」の種類や枚数をどうするかという議論は当初からずっと続いています。

 

いただいた要望にそのまま応えるだけであれば迷いもないし、ストレスもありません。
しかしユーザー体験全体を考えて要望に応えないという決断も必要です。しかも、それを決める基準は常に変わっていくので、議論を重ねて葛藤を繰り返す毎日は大変で、苦しい時もあります。


でも、プロダクトを育てるためには避けて通れないことなので、歯を食いしばって考え続けています。

 

ー必要だからこそ、新しいことへのチャレンジを続ける

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今回のベンチャースピリット賞では「失敗を恐れずにチャレンジを続ける」という要素もありましたが、本当にプロダクト開発においてはチャレンジ続きの日々です。

 

うるるで使われたことがない技術、開発メンバーの誰も触れたことがない技術も多く使われていて、技術面ではほとんどすべてがチャレンジです。

 

もちろん、「新しい技術を使いたいから使っている」「開発者としての勉強のために新しい技術を選択している」というわけではありません。


目的を達成するためには新しい技術を使うのが最適で、学習コストやさまざまなリスクを鑑みても得られるメリットの方が大きいとなった時、初めて新しい技術を採用しようという意思決定を行います。

 

使い慣れた技術だけでつくるよりもずっと大変ではありますが、きちんと相応の結果は得られていると思っています。

 

技術面以外でも、「ユーザー体験にまったく妥協しない」というこだわりに対しては、常にチャレンジを続けています。サービスの使いやすさについては、当初からお客様から非常に良い評価をいただけているという自負もあります。

 

電話代行というビジネスは決して新しいものではありません。それ自体はずっと昔からあったビジネスモデルで、過去にうるるでもアナログな形で提供していた時期もありました。


しかし、それをお客様が自身でサインアップから設定変更まで行うWebサービスという形にして新しいユーザー体験を作り出したのがfondeskです。

 

つまり、ユーザー体験の良し悪しというのがビジネスのエッセンシャルな部分なんです。だからその部分だけは、サービス提供開始のDay1から100点以上のものを提供しようということが目標でした。


そこは私自身にとってもチャレンジだったし、絶対に譲れないポイントでもあったと思います。

 

一方で、うるるは「人のチカラ」を大切にしていて、営業が強い会社です。


お客様とのやりとりを地道にひとつひとつ対応することは大切だという意識も強く持っています。チームが立ち上がった当初は、「Webサービスであること、セルフサービスであることってそんなに重要なの?」という声もありました。

 

でもfondeskの強みを活かすためには、その当たり前にこだわってばかりではいけない。「ソフトウェアでのおもてなし」という新しい文化をつくるということは強烈に意識をしていて、「良い意味でうるるらしくないサービスをつくる」ということを言い続けてきました。

 

それはうるるのカルチャーを否定するものではなく、今後ソフトウェアを事業に活かしていく上では避けられない道です。今までの当たり前と相反する部分はあるので、一筋縄ではいかない挑戦でしたが、新しい文化の一端みたいな物はつくれたんじゃないでしょうか。

 

ーこれからもソフトウェアのチカラで、より良いユーザー体験をつくりたい

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今後はfondesk以外のサービスでも、ユーザー体験の悪いところ、もっと良くできるところをどんどん改善していきたいという思いがあります。


私自身、画期的なビジネスアイデアを思いつくタイプではなく、むしろ応用部分が得意なんです。同じサービスでも、それをユーザーにどのような形で提供して優れた体験を作っていくのかを考えるのが得意なタイプなんですよね。

 

「神は細部に宿る」と言われますが、fondeskでは表から見えない部分も見える部分もこだわり尽くしています。


例えば画面に表示されるエラー文言ひとつとっても一言一句、「て・に・を・は」までこだわるし、ボタンを配置する位置や影の濃さ、1px・1%の差にも一切妥協せずこだわってつくっています。

 

神経質過ぎると思われるかもしれませんが、これもfondeskを評価していただいている重要な要素のひとつです。事業全体のパフォーマンスに影響を与えるものなので、今後もきちんと取り組んでいきたいと思っています。

 

そういう目線で世の中にある他のサービスを見てみると、アイデア自体はいいんだけれども、ユーザー体験が悪いと感じるサービスが本当にたくさんあります。
多くの場合でお客様からの要望に全部応じた結果、機能を盛り込みすぎて、使いづらくなってしまっているんですよね。


8割のお客様に必要な機能だけに絞れば、グッと使いやすいものになると思います。

 

fondeskも電話代行というサービスを今までになくシンプルで使いやすいものにして、スモールビジネスのお客様に手に届くものにしたというところに大きな価値があります。


既存のビジネスをディスラプト(=破壊)する新しい事業を作るというのはうるるでぜひやっていきたいことだったので、そういう意味で2期連続のMVP受賞は自分のやってきたことが間違っていなかった、事業全体の成長に貢献できたことの証のようにも感じています。


こうやってfondeskのような新しいサービスに挑戦すること、そしてそれが社内でも評価されることが、他のメンバーにとって良いきっかけに繋がってくれれば嬉しいです。