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2025/05/26

「Wow!」を生み出す執念 ── fondesk IVR 開発者が語る、プロダクトへのこだわりと舞台裏【2024年fondesk事業年間MVPインタビュー】

4月、うるるは全社員参加のもと『ULURU Ayers Rock Festival』を今年も開催しました。このイベントでは、各事業の年間MVPに加え、私たちの行動指針「うるるスピリット」にちなんだ5つの賞を発表。その中で「fondesk事業年間MVP」に輝いたのが、fondesk事業本部の國本保廣さんです。

電話代行サービスfondeskの姉妹サービスとして、昨年12月にリリースされたfondesk IVR。従来のfondeskがオペレーターによる有人対応であるのに対し、fondesk IVRは、あらかじめ設定されたシナリオに沿って機械が応答する無人の電話応答サービスです。誰でも直感的に扱えるシンプルさと、導入しやすい価格が大きな特長となっています。

今回、そのfondesk IVRの企画から開発までをほぼ一人で手掛けた國本さんに、開発に込めた熱い想いや、知られざる舞台裏についてじっくりと語っていただきました。

▼國本保廣プロフィール

fondesk事業本部 プロダクトマネージャー兼リード開発者。JTB、Web制作会社を経て2016年キャリア入社。fondesk、fondesk IVRのプロダクトデザインおよび開発を一手に担う。

趣味 仕事と家族

座右の銘 神は細部に宿る

<受賞理由>
fondesk IVRの開発をリードし、ほぼすべてのプロダクト機能の設計・開発を一手に引き受けてリリースまでやり切りました。将来にわたるfondesk事業の成長を見据えて自社でIVR開発を推進するという大きな一手は、國本さんのオーナーシップがあったからこそ作れたものでした。

fondeskと同じくらい簡単でなければ、私たちがつくる意味がない

fondeskを立ち上げてから1〜2年が経つ頃、市場にはIVR(電話自動応答)の技術を活用したサービスが登場し始めました。当時、私たちは「人が対応することこそがfondeskの大きな価値」だと考えていたため、これらの新しい動きを直ちに競合と捉えていたわけではありませんでした。しかし、その後、IVRサービスが多様化するにつれ、お客様の選択肢も広がり、私たちはfondeskの提供価値を改めて深く考えるようになりました。

IVRの機能自体を開発することは、技術的にはそれほど難しいことではありませんでした。しかし、fondeskのサービスラインナップとしてIVRを提供する際に、それをどのようなプロダクトとしてユーザーに届けるかは、非常に悩ましい課題でした。fondeskは「シンプルで使いやすい電話代行サービス」として、オンラインで申し込めば最短5分でオペレーターが電話に出るという手軽さとわかりやすさが支持されています。一方で、IVRではユーザー自身が対応シナリオやガイダンスを細かく設定する必要があるため、サインアップするだけで即利用開始、というわけにはいきません。

「fondeskと同じくらい簡単に使えると感じてもらえなければ、私たちがIVRをつくる意味がない」。そう強く感じていましたし、それこそがfondesk IVRの最も大切な価値になると確信していました。

妥協なき執念が、「Wow!」を生み出す

正式リリースまでに、数多くのプロトタイプを開発しました。文字通り「作っては壊す」の繰り返しです。そして昨年5月、「これでいける!」と手応えを感じたほぼ完成形の製品を社内でお披露目したのですが、期待とは裏腹にうまく使いこなしてもらえませんでした。この結果を受け、思い切ってそれまでのコードをすべて削除し、コンセプトの根幹から見直すことを決断しました。このとき、テストに参加してくれた方々に「自分の理解力が足りないのかも」と余計な気を使わせてしまったことが、本当に悔しくてたまりませんでした。

しかし、誰もが「簡単にできた!」と思えるものでなければ、市場で受け入れられる製品にはなりません。「みんなに『Wow!』と言わせてやるぞ」。この強い思いを原動力に、何度も改良を重ねてきました。

こうした試行錯誤の背景には、私自身の「細部まで一切妥協しない」という信念があります。ときにその姿勢が周囲との衝突を生むこともありますが、それでもプロフェッショナルとして、一つひとつの仕事に誇りを持ち続けたい。製品の機能やデザインはもちろん、プレゼン資料の言葉選びや請求書の見た目に至るまで、どんな些細なことでも最高のクオリティを追求すること。それが私の信条であり、プロダクト作りの揺るぎない原動力なのです。

受賞を振り返って

fondesk IVRの開発は、「全く新しいプロダクトをゼロから生み出す」というよりも、「既存のfondeskというプロダクトを守り、さらに次のステージへと成長させていきたい」という強い思いから始まりました。今回の受賞は、fondeskをより多くの人に届けたいという一心で取り組んできた努力が、結果として認められたのだと受け止めています。

fondeskの開発チームはわずか4人ですが、その裏側では数千のソフトウェアや30以上のサービスが複雑に連携し、300人を超えるオペレーターの方々をはじめ、本当に多くの人々が関わっています。このような「巨大な工場」のように精密に動くシステムのサプライチェーンを構築し、高品質で安定したサービスを提供し続けられているのは、他ならぬチームメンバー一人ひとりの優れた技術力と日々の努力のおかげです。私がfondesk IVRの開発に集中し、やり遂げられたのも、彼らチームメンバーの献身的なサポートがあったからこそだと、心から感謝しています。

fondesk IVRは、お使いになるお客様に心から「Wow!」と言っていただけるプロダクトを目指し、開発を進めてきました。一人でも多くの方に実際に触れていただき、その価値を実感してもらえたら、開発者としてこれほど嬉しいことはありません。まだ世に出たばかりのプロダクトですが、これからもっと多くの「Wow!」を届けられるよう、私自身もチームも、全力を尽くしていきたいと思います。

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